映画「星になった少年」の感想
このところ話題を提供しているフジテレビが後援している映画、「星になった少年」を今頃になって見て来ました。
最初に思った感想は監督というか演出がイマイチだったなぁ、ということですね。もっと印象に残る「見せ方」があるように思えます。監督の河毛俊作はこの映画が初監督作品らしいんですが、それ以前はドラマの監督をしていたそうで、その話を知ったら「ああ、なるほどなぁ」って感じです。なんかフレームワークがドラマっぽいんですよね。コマ割が早いっていうのか…。
柳楽優弥が主演ということで話題になっているっていうのもありますね。カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞をとってから初めての主演映画。レビューなんかではプラス・マイナスどっちの評判もありますが、個人的には存在感がある役者だと思います。
まだまだセリフ廻しは棒読みに聞こえるところが多いんですが、こっちをハッとさせる表情を多々見せます。それが柳楽の凄いところです。素質に追うところが大きいのかなぁ。ともあれ、セリフ廻しはこれから経験を積むにしたがって上手くなることだし、その辺は将来の楽しみにしておきましょう。
母親役の常盤貴子や父親役の高橋克実も良いですね。常磐はこれから母親役が多くなっていきそうだし、高橋克実はトリビアよりも映画やドラマのほうがやっぱり光ってます。
蒼井優と柳楽の絡みがあるんですが、その辺りのエピソードが少なくて何だか物足りないです。
全体的に叙述が舌足らずな部分が多く、「脚本段階でカットしたのかなぁ」と見ながら思ってしまいました。それでも、ラストは涙もろいヒトは泣いてしまうかも、です。そうそう、最後に付け加えるなら坂本龍一の音楽は良かったですよ。
映画が安く見られるのであれば見ればいいですが、とりたててレンタルとかで充分な気がしました。