あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

オセロゲームと総選挙

 公明党への配慮もあって、投票日まで最長のおよそ1ヶ月に及ぶ選挙戦でしたが、フタを開けてみれば、自民党の歴史的勝利でした。衆議院の定数が480議席に削減されたことを考えると、議席占有率という感から考えると、衆参同日選挙を行った中曽根内閣の300議席よりも今回の方がより大きいですね。
 それにしても、何回も同じ話ですが、まさに「バンドワゴン効果」がてきめんに現れた選挙でした。よく「地滑り的圧勝」と言いますが、小選挙区というのは投票結果が議席に「地滑り的に」反応する選挙制度と言えるでしょう。
 なぜなら、勢力の拮抗する二大政党が小選挙区で1つの議席をめぐって闘うわけですから、何かの拍子で片方の政党に風が吹くと、まるでオセロをひっくり返したようにその政党が小選挙区での議席を独占的に獲得できるわけです。
 これは小選挙区を採用している国にみられる現象でイギリスではメージャー・保守党政権からブレア・労働党政権に政権交代が起こったときドラスティックな獲得議席の変容がありました。また、カナダでも政権与党が一気に小政党に転落するなど、日本と同様な現象を見せています。

 ともかく小選挙区は多様な民意を1つに収斂させてしまうわけですから、それこそマルかバツかという判断に行きやすいという欠点があります。しかも不幸にして日本の二大政党(自民党民主党の関係は結局のところ55年体制の1と1/2政党と同じか!?)はどちらも小さな政府を志向し、社会的弱者や低所得者へ対する所得の再分配よりは社会での階級間格差が広まってでも自由競争に基づいた経済・社会体制を志向しているようです。
 ただ、管理人は社会の意見は果たして本当にそうなのかなぁ。と思ってしまうわけです。企業戦士としてがむしゃらに働きたいヒトもいれば、仕事は並にこなして、余暇に趣味やボランティアをやりたいと思うヒトもいる。育児の合間をぬって負担にならない程度に働きたいヒトもいる。ハンディキャップを持っていたりマイノリティだったりしても、マジョリティと同じように、社会から疎外や差別されることなく生活したいと思う人がいる。
 老若男女というと言う言葉には、男女という違いや、若い老いという違いがある。裏を返せば、ポテンシャル全て異なるのが人間なのに、一番強いところ、つまり「健康で壮年な男性」を社会の基準にするような考え方でイイのかなぁと思うわけです。
 そのあたりを考えると、将来の国家像というところで魅力ある二大政党制でなかったのかなという気はします。
 これ以上の分析になると、新聞や雑誌で専門家が分析するだろうから省いちゃいますが、恐らくそのへんの姿勢で一貫してブレずに「小さな政府でいいんだ」といった自民党に勝利をもたらしたんだろうなぁと言う気がしますね。

 まだまだ、今回の結果は過渡期的現象でしょうから、今後、投票行動はどうなっていくんでしょうか。大いに注目したいところです。