あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団第613回定期演奏会 Aシリーズ

2005年9月16日(金)19:00開演(18:30開場) 東京文化会館 大ホール

ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob.Ⅶb:1

ブルックナー交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』(ハース版)

指揮:クリストフ・エーベルレ

チェロ:古川展生


 7月以来、久しぶりの都響定期。8月はオケも夏休み…なワケではなく、地方を巡っていること多いので、どこのオーケストラも定期はないですね。例えば、中高生とのジョイントコンサートとか、名曲コンサートとか。
 なのでまるまる1ヶ月以上都響を聴かなかったことになりますな。ちょっとした宣伝ですが、都響は定期会員になると、一回あたりA席が1900円で聴けます。もちろん学割なんですがね。オーケストラの中には当日に残数があるときに限り学割でチケット販売などというケチなオケもあります。その点、都響は前売りで学割が効くし、何より割引率がイイ!
 もちろん、東京「都」交響楽団なので都職員の方も2割引みたいです。まさに公共オケ。財政再建のあおりを受けて規模が縮小していますが頑張っていって欲しいところです。

 …脱線してしまいました。まずはチェロ協奏曲から。ソリスト都響の首席チェロ奏者古川展生を迎えてのハイドン。ソロアルバムも出し、若い女性に人気のある若手実力派チェリストゆえか、今回、前方の席は普段見られない若い女性の聴衆が…。管理人もかなり前の方に指定席を持っているので、よく見えましたよ。(どっちをだか…。)
 ハイドンは学校の音楽室に肖像が飾られてないので分かり難いですが、ベートーヴェンの師に当たるヒトです。だから時代としてはかなり前。いわゆる「古典派」に属する作曲家。古典派の音楽はやっぱり「形式美」にあるでしょう。短歌と同じように形式の中にぶち込むことで美的感覚が生じるわけですね。
 だから、ハイドンを大げさに演奏するとハイドンじゃなくなるわけで、その点からすると、今回の演奏はスッキリとまとまってレベルの高い演奏でした。先週聴いた東京シティ・フィルに比べて、やはり都響は技術水準が高い(上をみたらキリがない)ので安心して聴けます。古川のチェロも筋肉質で端正な演奏でハイドンによく馴染んでいました。

バッハ:無伴奏チェロ組曲1&5

バッハ:無伴奏チェロ組曲1&5

古川さん。このマスクに女性は釘付け(笑い)。でも、技術とセンスは抜群です。


 さて後半のブルックナーブルックナーワーグナーの次くらいのヒトです。時代としては「ロマン派」に属するんですが、かつて朝比奈隆が「ブルックナーの本質はバロックである」と言ったように、ロマン派的な主観的解釈を排除した演奏の方が成功します。少なくとも管理人はそっちの演奏に感動する方です。
 ドイツの片田舎の教会で長らくオルガンを弾いていたブルックナーは作風に自分の人生云々などというロマン派特有のちっぽけな精神世界にいません。ブルックナーが作曲したかったのは自然の感謝であり神への祈りです。だから、教会音楽的、いわばバロックなわけです。
 その観点からすると若手にも関わらずエーベルレの演奏はブルックナーの本質を突いたまことに見事な演奏でした。あれだけの演奏は久々です。ブルックナーの4番は結構生で聴く機会があったんですが、かつて朝比奈隆の4番を聴いたとき以来の感動です。飯守泰次郎の4番も感動的でしたが、あれはロマンティックだから可能な演奏だったと思います。
 それに対してエーベルレの4番。そりゃもちろん指揮者としては青二才と言われる40代ですが、不必要にテンポを変動させず、構成感を持ってブルックナー特有の宇宙的な響き・世界観を再現していたトコロは素晴らしいですね。ここがブルックナー演奏のポイントで、下手にテンポをいじると、もうブルックナーじゃなくなるわけです。スケール感が出ません。
 もちろん、内声部にもっと厚みが、とりわけチェロとコンバスを響かせると重量感あるサウンドになったのになぁ…。と思いますが、そこは今後の楽しみと言うことで(笑い)。
 ともかく、この歳でこれだけのブルックナーが振れるということが驚きでしたし、内容も非常に良かったです。終演後の聴衆の反応が今ひとつだった気がしますが…。あのブルックナーの4番の内容でさしたる感慨も湧かないようなヒトは、残念ながらブルックナーそのものを聴くセンスに乏しいヒトでしょう。と、強気にそう思えるだけの内容だったと言うことです。エーベルレ、次はブルックナーの5番をやってくれないかなぁ…。

ブルックナー:交響曲第4番

ブルックナー:交響曲第4番

CDを聴くならこの辺で。朝比奈なら2000年の大フィル盤、ヴァントなら北ドイツ放送so.盤の方を推しますけど、見あたらないので…。