あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団・第193回定期演奏会「飯守泰次郎のヴェルディ/レクイエム」

2005年10月13日(木)午後7時開演 [午後6時開場] 東京文化会館 大ホール

プッチーニ 交響的前奏曲
ヴェルディ レクイエム

指揮:飯守泰次郎
ソプラノ:緑川まり  アルト:坂本 朱  テノール:望月哲也  バス:木川田 澄
合唱:東京シティ・フィル・コーア/混声合唱団 明響  合唱指揮:相良文明


 ヴェルディはJリーグのチームではありません。イタリアを代表する作曲家です。きっと音楽に興味ないヒトなら知らないと思うんですが、サッカー日本代表の応援テーマ(?)で試合中にみんな歌って(!?)ますよね。アレ、歌劇『アイーダ』に出てくるんですよ。管理人、サッカーの試合は専らテレビで叫んでいる方なんで、スタジアムの状況は良く分からないんですけど…。


 そんな、イタリアを代表する作曲家ヴェルディは主だった作品はみんなオペラ。そんなヴェルディが作曲したレクィエムな訳です。レクィエムとはカトリックにおける「死者のためのミサ曲」を意味します。きちんと魂が救済されるように、現世にいる我々が祈りを捧げるわけですね。
 とは言っても、ヴェルディのレクィエムは劇的でとても魂を救済できるような音楽じゃありません。フォーレなんかは確かに天国に行けそうなんですが、ヴェルディのレクィエムを生で聴かされた日には死人も甦ってしまいそうです。そんなくらいに、オペラ作曲家の本領発揮した、まさに声楽による「饗宴」と言うにふさわしい内容です。
 管理人も、生のレクィエムは初めてで、なかなか興奮気味でした。独唱が4人に、大規模な合唱団を必要とするため、そう手軽にはプログラムに組めないみたいですね。練習時間の調整とかいろいろ手間がかかりそうだし、事実、今回の合唱団も200人を超えるほどです。この合唱団と4人の独唱がオーケストラに乗って歌うわけですから、その迫力は凄いモノがあります。やっぱり合唱曲は生で聴かないと真価が分かりませんね。


 この曲の中で、管理人は個人的に「怒りの日」と「リベラ・メ」が好きな箇所です。「怒りの日」は映画バトル・ロワイアル(最初の方ね)の冒頭で使われていたので、ひょっとすると知っているかもしれませんね。


 さて、演奏についてですが、なかなか良かった。イタリア音楽は、何よりまず音楽の中で「歌」(メロディ)が重要だと常々思っているので、音楽を深く、内省的に展開するよりはしなやかな身体性でもって健康的に・直線的に演奏した方がその音楽的美感が最も強く感じられます。飯守氏もきりりと引き締まったリズムで全体をまとめていました。飯守氏自身はワーグナーの演奏に定評があるし、事実その通りだと思うんですが、ワーグナーと同じように演奏しなかったのが良かったのかも。そこら辺は詳しく書くと終わらないんでまた機会があったら…。


 いつもの事ながら、序盤はあまり乗ってなかった感じがしましたが、それから徐々に内容が良くなって、充分聴き応えがありました。
 「怒りの日」も大太鼓が非常に効果的です。トランペットの調子が今ひとつでしたが、あれは飯守氏の指示だったんでしょうか?ちょっと不可解。合唱は声量や発声自体、さほど気にならなかったんですが、発音はあれで良いのかな?イタリア語は全くやらないから分からないんですが、少なくともCDで聴くのとは結構違う感じで、ちょっと意外な感じがしましたね。
 どちらかといえば、ドイツ語の時のような感じだった。イタリア語というのは日本語同様に母音が多いと聞くので、ちょっとやりすぎ感があったんですが…あれくらいで丁度良いのかなぁ…。
 「霊妙なるラッパの音」では、客席後方からトランペットが聞こえてきました。「あれ、舞台裏では?」と思ったんですが、まさにマルチサウンド(笑い)で感動。
 第2部の「オッフェトリウム(奉献誦)」以降は良かった。特に「サンクトゥス(感謝の賛歌)」と「リベラ・メ(赦祷文)」は合唱や独唱の美しさにオケが融合してヴェルディの意図したであろう世界観が描出されてました。

ヴェルディ:レクイエム

ヴェルディ:レクイエム

なんと、画像が出ませんねぇ。ジュリーニヴェルディと同じくイタリアの指揮者です。ちょっとテンポは遅めですが、合唱はクリアに収録されていてなかなか良い感じです。