あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

5度目の靖國参拝した日に若干の考察

 秋雨が続きます。いきなり秋が深まった感じがしますね。
 プレーオフはもつれにもつれた挙げ句、ロッテが31年ぶりにリーグ優勝ですか。阪神VSロッテ。レアな日本シリーズのカードな気がします。
 ただ、プレーオフっていうのは、どういうモノなんでしょうか?キャンプから始めて一年かけてペナントを争う、長期戦を制したモノが優勝ではなく、あくまでも優勝に一番有利な状況で試合に臨める資格を手に入れるに過ぎないっていうのはチョット不公平な感じもします。
 セ・リーグでもプレーオフ導入するみたいですけど、止めた方が良いんじゃないかな。セパのリーグ優勝の規定の違いくらいあっても良いんじゃないでしょうか?違いが出て面白いし。

 ただ、ソフトバンクVSロッテの試合は盛り上がりましたね。とくに昨日今日は凄い展開。充分面白かったんじゃないでしょうか?放送したテレビ東京は偉い。よくやった。あれくらいの熱戦が、もっと広くの人たちに伝われば野球人気は盛り返しそうな気がします。テンポ良く皆を飽きさせないようにするのも大事ですけどね。


 国内政治では小泉首相靖國神社に参拝しましたね。なんか、想定の範囲内というヤツですか。いくらいっても小泉には馬耳東風、誰が何を言っても聞くわけ無く、自分の信念を突っ走るわけですよね。それが郵政の時はプラスに作用しましたが、今回は果たしてどうなんでしょう?
 外交っていうのは政治の中でも一国の指導者による決断の影響が受けやすい分野です。経済問題なんていうのは、このデフレ不況を見ても明らかですが、政府の影響力は段々小さくなってきている。それは、経済規模が拡大化・グローバル化しているので避けようがない。
 しかし、国際関係というのは、多国籍企業NPONGOなど、トランスナショナルなアクターが出てきてはいるものの、相変わらず、国家というモノが中心になっていることは明らかでしょう。だからこそ、外交は充分考えた上で行わなければならない。
 上に触れたとおり今回の参拝も、もう5回目だということで、大して驚かなくなりました。おそらく、中韓の政府も小泉の行動は想定の範囲内だったでしょう。しかし、国内的な反発に対して抗議の姿勢をとらざるを得ないし、これ以上の日本の戦前回帰(あるいは右傾)化を防ぐ目的もあり、反発せざるを得ない。だから、管理人としては中韓の反応も同様に想定の範囲内
 しかし、小泉自身は自分の信念に従ったまでだと思いますが、自分の信念に従うことで得られるメリットとデメリットを比較考量しなければならないでしょう。
 政治的リアリズムの観点から考えても、参拝で得られる国民の支持と失う東アジアの関係のどちらが重要なのか?と言うことですよね。
 北朝鮮との間には、拉致問題と核問題がある。中国との間にはガス田問題と教科書問題がある。韓国にも教科書問題がある。これらの問題解決に、靖國参拝はプラスに作用するのかマイナスに作用するのか?ということでしょう。管理人はどうみてもマイナスにしか作用しないように思えてなりません。
 小泉自身は、靖国参拝には熱心なモノの、いまだアジア太平洋戦争で犠牲となった旧日本兵数万人の遺骨が太平洋諸島や東南アジア諸国の奥地で風雨にさらされているといわれていると言う事実には冷淡です。これらの問題に対して積極的に取り組もうという姿勢は、厚生相時代も含めて、小泉自身から見られません。

 そういう人間であっても、ただ総理大臣であるだけで参拝を希望するという遺族会の姿勢は、はっきりいって死者への侮辱ではないのでしょうか?ただ、こればかりは個人的心情の問題なんで、不誠実な総理大臣でも参拝するだけで心が満たされるようだ、という特別な心理状態をお持ちの方をことさら非難することはできません。「追悼のあり方」というもの自体があるのかどうか、という問題ですが、それをいってしまえば靖國神社の存在そのものについてのあり方それ自体が問われかねないディレンマでしょう。

 外交上の課題として拉致問題と核問題、ガス田問題など対アジア関係の懸案事項が山積している中で、これらの問題解決のために、自粛できなかったのか?とも思います。結果、これらの問題は解決のテーブルに着くそもそもの前提それ自体が難しくなりかねず、一体どうするつもりなんでしょう。おそらく、もうどうするつもりもないんだと思うんですけどね。多分、小泉自身の中で優先順位は拉致でもガス田でもなく自分の信念なんでしょう。

 さらに、政教分離を定めた日本国憲法第20条に抵触している。と言う問題もあります。こないだの大阪高裁の判決は憲法学界の通説からすれば妥当なモノで、だとすれば、現行憲法内で参拝を行うのはやはりよろしくはない。

 そう考えると、靖國参拝には二重のハードルがあるわけです。国内的には憲法があって、対外的には歴史認識問題がある。これをと、どう整合性とつけるのか問われるところですね。

靖国問題 (ちくま新書)

靖国問題 (ちくま新書)

靖国の戦後史 (岩波新書 新赤版 (788))

靖国の戦後史 (岩波新書 新赤版 (788))

上の方が、靖国神社の問題点について述べたモノ。
下の方が、歴史的に見た靖国神社について述べたモノ。

二人とも、著者は総理大臣の靖国参拝には否定的ですから、彼らの主張に対しては差し引いて読まなければならないわけですが、問題点の指摘は正当な批判として受け止めて良いでしょう。

なお、余談ですが、管理人もこの本が出る前に同じようなことを思っていただけに、先に文章化されてしまい残念な思いです。とはいっても、管理人じゃ一生かかっても本にならなさそうですが…。