あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

ライブドア事件に関する雑感

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060123-00000128-mai-soci

 どのテレビ局のニュース番組をつけてもライブドア堀江社長(もう容疑者だけど)の話題ばかり。管理人は学部こそ法学部なものの、著しく政治の側に偏っているので証券取引法がどの程度の罰則規定を設けているかよく分からないものの、関係するHPをみると、懲役にして3~5年とか科料が300~500万円といった数字があった。
 もっとも、きちんと条文が読めているか…というところであるが。


2006-01-23
 ちょうど弁護士の落合洋司氏のブログでこの事件にも言及しているのを見つけたので、専門的なことはそちらを参考に。


 それよりも気になるのが世論の反応だ。これだけセンセーショナルにマスメディアが報道し、世の中のニュースはこれしかなかったかのようである。
 もちろん、管理人が政治学に特化しているから、(ハンナ・アレント流に捉えれば)経済という私的領域ではなく政治という公的領域についての報道もすべきだ、と思ってしまう。
 こういうとき、テレビの報道は厄介である。ライブドア問題以外のニュースを知ろうとしても、時間の大半をライブドア特集にしてしまい結果、分かることは明日の天気だけ、という結果になってしまう。
 特集の内容も、忘年会の羽目を外した模様を繰り返し流していたが、いかにもライブドアのやっていることは「虚業」であった。みたいな報道姿勢はおかしい。
 忘年会、あるいは年度末の納会などはそれこそ年に一回の行事であって、そこでくらい羽目を外すことはこれといって異常なことではない。
 むしろそういった「特異」なシーンを繰り返し報道してテロップまで流している報道の方が「異常」であると自覚した方が良いのではないか。
 必要以上のテロップや反復など、すでに報道ではなく、バラエティと変わらない。
 逆に言えば、「世間の注目がある」イコール「数字(視聴率)が取れる」と判断するライブドアと共通の拝金主義にマスメディア自体が陥っているという事実に彼ら自身が気づいていないのではないか。
 もし、それがちがうというのであれば、ライブドアの事件はBSE事件や耐震強度偽装、あるいはヤマハ発動機無人ヘリ輸出、名護市長選挙の結果による普天間基地移転などの事件や問題を報道しないほど重大な問題か、といった疑問がある。
 どうも、事件が重大だから多くの時間を割いている、というのではなく、ホリエモンという多分にワイドショー的キャラクターが影響して多くの時間を割いているとしか管理人には思えなかった。


 やはり、明日の新聞を待たなければならないのだろうか…。


 それにしてもライブドアのサイトに飛ぶと堀江社長逮捕とあって、ライブドア社内の反応という記事があるのだから凄い。
堀江氏逮捕受け、社内の反応 - ライブドアニュース
 ライブドア堀江容疑者の一件は会社の存続を揺るがす事態になるかもしれないが、情報の開示と業務自体の健全性を大いに主張するべきだと思う。
 この一件でライブドア虚業とする表現があるが、それはライブドアで働く一般の社員に失礼だろう。彼らの提供するサービスはサービスではあるが、決して虚業ではない。


 この事件を受けて自民党堀江容疑者との関係について道義的責任はないといっているが、果たしてそうだろうか。
 BSEの緊急輸入禁止耐震強度偽装、そして今回のライブドア事件。今日の通常国会における前原誠司氏の代表質問と同様になってしまうが、いずれも小泉的政治路線の歪みではないか。
 長期的な理念や将来的なビジョンを欠いたまま、デフレ脱却のために新興IT企業や規制緩和、民営化に走ったツケが起こっている。そして、そうした政策を先導しておきながら実は誰もその責任を負わないという、無責任の体質がそこにはある。