あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

ジェイムズ・デプリースト、ついに始動〜都響第625回定期演奏会

東京都交響楽団第625回定期演奏会

2006年4月17日(月)19:00 東京文化会館


ベルク:管弦楽のための3つの小品
ブルックナー交響曲第9番ニ短調(ハース版)

指揮:ジェイムズ・デプリースト


 先週はサントリーホールでの都響定期演奏会。今日は都響のホームグランドともいうべき東京文化会館での定期演奏会です。
 都響定期演奏会東京文化会館(上野)でのAシリーズとサントリーホール溜池山王)でのBシリーズがあって、基本的には同一プログラムなんですけど、年に数回AB別のプログラムを組みます。今回はたまたまその回だったらしく忙しかったんですけど、何よりデプさんの演奏するブルックナーと言うことで何とか時間をやりくりして行ってきました。


 もっとも、僕は東京の北の植民地に住んでいるので上野の方が帰宅がかなり楽なんですけどね。
 ブルックナーの第9番は朝比奈隆飯守泰次郎、ハウシルトの演奏を聴き、多分これで4回目だと思います。記憶が曖昧になってきているのは愛嬌で。
 それにしても、都響は常任になったデプさんの年に数度の来日を最大限利用しようとしているようです。まず、定期演奏会でのA、Bシリーズをそれぞれ別の曲にする(12月の定期演奏会も)。休日のプロムナードコンサートや作曲家の肖像シリーズなどもついでに担当して貰う。さらに、年末の第九も振って貰う。
 と、来日回数にして今年度3回の予定なんですが、色んな曲を振るようですね。
 もっとも、朝比奈、ベルティーニは他界し、フルネは現役を引退した今、都響で集客が期待できるのはデプリーストなんでしょう。たしかに若杉弘だと地味だろうなぁ。
 大野和士佐渡裕に積極的にアプローチすればいいのに。それと共に新人の発掘をして集客を高めないとダメだなぁ。
 でも、今回、デプリースト&ブルックナーの9番という組み合わせから文化会館にしてはかなり客席は埋まってました。8割以上は埋まったんじゃないか?


 演奏は、ベルクはあの時代に生まれた人にしては聴きやすい音楽。でもそれならショスタコーヴィチプーランクの方が聴きやすいか。
 オケはとても良くなっていました。良くついて行っていたし。
 ブルックナーの9番は先週の2番が良かっただけに期待。結果から言えば、相応に満足できました。第1楽章のアタマの方でオーボエか何かが欠落していたから、そこで一気に聴くテンションは下がってしまったのですが、それ以外は概ね良かったです。気持ち勇み足だったような感がありましたが、付点の処理とか、そういう解釈なんでしょう。
 あと、主旋律(そもそも主旋律があるのか?)を目立たせるために、副旋律を抑え気味にしながら充分に歌わせるため、思ったよりも旋律がはっきりと分かり、かつ、音楽のスケールは小さくならなかったです。
 あまり大きくテンポをいじらなかったからかな。でも第1楽章はけっこう動いていたけどね。それでもおかしいほどではないし。
 第3楽章はやっぱり良かったですよ。デプさんはデフォルメするタイプではないから、この曲のイメージを損なうことなく、曲をまとめ上げていました。


 でも、今回2番と9番とを聞き比べてみると、やっぱり両者の間には音楽の深さというか、内容の深さの次元がまるで違いますね。とりわけ7、8、9番はすごいと思う。
 9番なんて終楽章が完成してたらどうなっていたのかと空恐ろしくなるほど。もう充分第3楽章までで、出来上がっているような気さえしてきます。


次回定期はルガンスキーチャイコフスキー。これは楽しみ。

数ある朝比奈の9番の中で、これが一番好き。N響、強し(笑)。
ブルックナー:交響曲第9番

ブルックナー:交響曲第9番

定番と言えばシューリヒト。深遠な演奏とはこのことか!?
ブルックナー:交響曲第9番

ブルックナー:交響曲第9番

新しい定番となりつつあるヴァント。
ブルックナー:交響曲第9番

ブルックナー:交響曲第9番

この中では一番クセのあるマタチッチの9番。
でも、9番はCDに困りませんね。薦められるものが沢山あるし。