欠点が魅力。第1の使徒、ついに降臨〜神の雫第6巻
- 作者: オキモト・シュウ,亜樹直
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/21
- メディア: コミック
- 購入: 10人 クリック: 81回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
パチンコ屋の前を通るとエヴァのパチンコ台があるじゃないですか。エヴァをリアルタイムで見ていた世代が10年経ってパチンコ世代になったということか…。あの頃中高生だったヒトが今じゃ社会人だもんなぁ。あの頃を振り返ってやり直そうと思っても、もう遅い(笑い)。ハマるのは良いけど、社会の接点が無くなったヒトは推して知るべしでしょう。
いきなり本題と全く関係のない話をしてしまった。本題は神の雫なのにね。
えー、タイトルの通り、主人公のオヤジが遺した窮極のワイン(これが使徒)のうちの一本が登場。タイトルの通り、欠点が魅力なんだとか。
完璧というのは確かに「そこで終わり」なのかもしれない。つまり到達点があるわけで、じっさい対象となるものの面白さ(ワインでも芸術でも)は頂点を窮めようと思ってもたどり着けないから奥が深いのであって、だからどこかに欠点があるものの方が魅力があるという主張には納得がいく。
永遠に頂上にたどり着けない山登りのようなもので、だけど振り返ってみれば仰ぎ見る巨峰の上の方をさらに登っているのだろうな。巡礼にも近い。その永遠の運動性の中に人間は幸福を見つけるのかもしれない、なんてぼんやり思ってみたりして。
ところで、この使徒を見つける過程、主人公の雫(『耳をすませば』と違って♂)はライバルである新進気鋭のワイン評論家と勝負して見事に勝利します。ここにはマンガ特有の主人公の法則が脈々とあるな。
ひょんなことからその世界に入った主人公が実は類い希なる才能の持ち主で、あっという間にトップスターになっていくという典型的なサクセスストーリー。少年誌ではお馴染みの設定だけれど、青年誌だが神の雫にも当てはまる。
この設定、スカッとするし、主人公がカッコよく見えるから王道的なんだけれど、ついつい天の邪鬼な管理人はライバルが気の毒になってくる。きっと幼い頃から青春をすべてそれに捧げ、凄まじい努力をしてきたのに才能のある主人公に最後は敗れるという。ああ、努力しても報われないのね。と思ってしまうと、才能のない自分もきっとダメなのかなぁ…とブルーな気持ちになりそうだ(笑い)。
あ、そうそう、これも良くある話だけれど、最初印象が悪かったキャラクターがいつの間にかいい人になると言う常道パターンも用意されている。
ま、王道を進みながらもむやみに対決ばかりさせないで、他のエピソードで楽しませてくれればいいな、と期待。
そーいや、作者の亜樹さん、はてなにブログ持ってるようですね。
案外、読まれていたりして。