世論と決定と@共謀罪採決に考える
今日、法務委員会で採決されるかに思われた共謀罪。
まさに「土俵際」という表現がピッタリだが、延期された。
国会の中のことは議員のブログを読むのが一番ですね。昔は「国対政治」なんて呼ばれて、与野党激突なんて呼ばれていても裏では自民党と社会党の国会対策委員長が「落としどころ」を探っていたんですが、最近はブログが発達してしまって裏情報も手に入りやすくなっているが為に「落としどころ」を探ることなく、数の論理によって淡々と採決されていってしまいます。
議会政治一般について野党による法案の修正がされた方が良いのか良くないのかは政治家や政治学者によって意見の分かれるところです。
管理人は多数決を「本来、全会一致」が必要なモノを「効率」のために過半数の賛成をもって「全会一致とみなす、擬制」だと考えている説を支持しているので少数意見を踏まえながら一定の修正が加えられた方が望ましいと思っています。
河野議長要請で与党「強行採決」断念 - 保坂展人のどこどこ日記
今日の採決延期は河野衆議院議長の斡旋によるものらしい。議長職にある人って、やっぱり相応に民主主義に対する理解があるのかなぁ…とぼんやりと思った事がありますね。
かつて衆議院議長を務めていた綿貫民輔(国民新党代表)も議会政治の運営に努力していたし…。日頃のあの人の政治的立場から考えると、議長になったらどうなるのかなぁ、という心配はしていたんですが、そういう心配はなかったわけです。
それにしても「郵政解散」で大勝した自民党。今更ながらですが、有権者は「構造改革を支持」していても、共謀罪やら教育基本法改正まで容認するのかと思えば疑問です。
このブログでも投票の選択肢に「郵政民営化、是か非か」だけの判断をしては良くない。と、指摘してきたつもりですが、懸念していたとおりの結果になりつつあります。
とはいえ、唯一希望がもてるとしたら、それは世論の力でしょう。
与党だけで衆議院では320議席を超え、野党は「何をか況んや」状態で無力感さえ漂っているようですが、共謀罪の委員会採決が延期されたのはひとえに世論の反対が殊のほか大きいことに野党が勇気づけられていると言うことができます。
歴史的に振り返って反対の声を持続させることは難しいのですが、与野党の勢力比が大きすぎる衆議院の状況では頼みの綱は世論だけだという心細いながらも、愚直に反対の声を挙げ続ける必要がありそうです。