あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

とはいえ考えにくい…@エレベーター事故とザルカウィ殺害と。

 扉が開いたまま、エレベーターは上昇したという記事を読むにつけ、非常に痛ましい事件でしたね。しかも、犠牲になった高校生の人柄とかが報道され、将来が絶たれた無念さを感じさせます。
 こう言うときは気の毒だ。としか我々は言うことが出来ませんが…。

 東京都港区のマンション「シティハイツ竹芝」で都立高2年の市川大輔(ひろすけ)君がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、このエレベーターが04年11月にブレーキ故障を起こした際の調査内容を、管理者の「港区住宅公社」が、その後、点検を請け負った業者に伝えていなかったことが分かった。今回の事故でも、かごの昇降を止めるブレーキパッドの劣化が事故原因の焦点になっている。メーカーや保守点検業者に加え、同公社にも管理責任という問題が浮上した。【宮川裕章、鈴木泰広】
 事故機のエレベーターは04年11月6日、1階で扉が閉まったままの状態で止まった。翌日には隣の別のエレベーターが扉を開けたまま停止した。たび重なる故障に、港区住宅公社は製造元で保守点検も請け負っていた「シンドラーエレベータ」(江東区)に原因調査を依頼した。
 約10日後、同社が住宅公社に提出した報告書には、事故機の故障について「ブレーキ作動不具合により停止。再調整後、正常に運転を確認。今後このようなことがないよう、一層の注意を払って点検させていただきます」などと書いていた。
 保守点検はその後、05年度は「日本電力サービス」(多摩市)、06年度は「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)が請け負った。しかし、04年11月の報告書をはじめ、22件発生したトラブルについて、公社は後任業者にほとんど伝えなかった。シンドラー社も文書などでの引き継ぎはしなかった。
 毎日新聞の取材に、日本電力サービスは「事故機はやや故障が多いと担当者が聞いただけ」、エス・イー・シーエレベーターは「公社を通じ伝えられた前任会社からの不具合のリポートは3件だった」と話している。住宅公社は「口頭で引き継ぎを指示はしたが、実際に行われたかは最終確認していない」と認めた。
 また公社幹部は「契約期間中に修理をして解決した不具合を、新しい業者に引き継ぐ必要はないと判断していた」と打ち明けた。ある保守点検業者は「トラブルの引き継ぎを業者任せにすること自体、管理者の責任放棄だ」と批判している。
毎日新聞) - 6月11日3時7分更新

 こうした事故が起こるたびに言われるのが「なぜ防げなかったのか」という問いです。しかし、どんなに安全に作った機械でも人間の作ったものである以上、完全なモノはないし、また、日々のメンテナンス(保守点検)などもあるために、人間の「不完全性」を考慮とするならばその危険度はさらに増すであろうと言うことです。
 もっとも、この事件以降、Yahoo!ニュースでの新設された「エレベーター事故」の項目には大量の事件が報告されてますね。報道の宿命として、事後でないとそのニュースは注目されないと言うことが挙げられますね。
 例えば、JR福知山線の事故でも、その事故の一因となった「オーバーラン」がにわかに脚光を浴びました。脱線事故以来、JR西日本だけではなく、JR東日本や私鉄各線や地下鉄各線でもオーバーランが起こっているという、いわば「オーバーラン」を盛んに採り上げるというマスメディアの雰囲気があったように思います。逆に、最近はめっきりオーバーランに関する記事を見なくなったとはいえ、オーバーランそれ自体が減ったとは考えにくい。つまり、新聞に報道されないだけで、私たちの日常に事故の一歩手前となる危険な出来事は起こっていると言うことです。
 ともかく、今回の事件がきっかけとなってエレベーターそれ自体の安全基準見直しや保守点検基準の見直しなどが行われ、同様の事件が二度と起こらない様、再発防止に努める以外にないでしょう。


 ちなみに、シンドラー社のエレベーターが公社の建物や学校など公的機関に多い理由はひとえに入札制度にあるといえるでしょう。
 行政が学校などを建てる場合に、公平を期すために入札が行われるわけですよね。シンドラー社のエレベーターが採用される理由は、恐らく世界第2位のシェアを誇る、ということから推測するに国内企業に比べると割安なのではないでしょうか。
 もちろん、だから「入札は止めるべし」という議論にはならないですが、エレベーターのような定期的な保守点検が必要とされる機械に関して言えば、安全の維持と保守点検のコストという観点をも含めた落札基準があっても良さそうですね。


 それにしても、恐ろしいほどワールドカップ一色の報道に、少々げんなり。あ、断っておきますがサッカー嫌いじゃないですよ。むしろ好きです。
 問題は、サッカー一色で他の重要なニュース(テレビで言えば時間、新聞で言えば紙面)を割く余裕が無くなることですね。僕らは報道で採り上げられないと「事件が存在する」ということを認識できないし。
 だからインターネット環境にあることが非情に重要ですね。
 今国会成立はほぼ不可能となってますが、教育基本法の改正や防衛庁の「防衛省」格上げ法案など注視しなければいけないコトは沢山ある。もちろん、このエレベーター事故やジャワ島の大地震のこともある。


 イラクではイスラムスンニ派過激派のテロ組織を率いてきたザルカウィが殺害されたらしいし。
 確かに、イラクのテロ活動で中心的役割を果たしてきたとされるザルカウィが殺害されたことによって、テロは一時的に小康状態になるかもしれない。しかし、米軍に反感を持つ者の中からやがては「第二、第三のザルカウィ」が現れてくるのではあるまいか?
 結局、「しらみつぶし」のように米軍がテロの首謀者を捉えたり殺害しても、一向にイラクの治安は安定しない。泥沼である。
 ネオコンを代表するイデオローグだと思っていたフランシス・フクヤマも結局、ネオコングループから脱退したと言うし…。
フランシス・フクヤマ、チーム・ネオコンから脱退 - AztecCabal
 ホントは文章読まなくちゃいけないんですけど、くたびれたのでこんなもんで。
 とかく、フセインという絶対権力を持つ存在が無くなった後のイラクはまさにホッブズ的解釈の通りの無秩序状態の様子ですね。

リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)

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