あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

オペラ指揮者の実力はいかに@東京シティ・フィル定期第201回定期演奏会

ドイツ・ロマン派の究極

2006年7月21日(金)午後7時開演 [午後6時30分開場] 
東京オペラシティ コンサートホール


R.シュトラウス 
3つの賛歌 作品71(日本初演
ブラームス 
交響曲 第4番 ホ短調 作品98
指揮:児玉 宏  ソプラノ:幸田浩子


 久々のシティ・フィル。そして久々のオペラシティ。
 いやぁ、オペラシティ、やはり音が良いですね。聴いたところはタケミツメモリアルホールなんだけどね。残響が多すぎるっていうヒトがいるかもしれないけど、音自体で言えば凄く好きなホール。ヨーロッパのホールってこうなのかな、なんておもってしまう。ま、どこもかしこもいい音ばかりじゃないんだろうけどさ。
 とはいえ、オペラシティを設計するにあたって、ウィーンのムジークフェラインザールを意識したんじゃないかなぁ。どのホールの響きを志向しているかって言うのはありそう。


 もっとも、管理人はデッドな響きだといわれようが、東京文化会館に愛着を感じますが…。帰りやすいし。きっと、京王沿線だったらこのホールばっかなんだろうな。でも住んでるところが住んでいることろだし。


 指揮者の児玉宏は、別に「ハンター・チャンス」とか言いません。全くの別人です。日本では名前が有名でないのですが、実力派。長い間、ヨーロッパの歌劇場で活躍していたようです。
 オーケストラの指揮者には大きく2パターンあって、交響曲などのコンサートを指揮するヒトと、オペラを中心に指揮するヒトに分かれます。
 もっとも、どっちもそこそこ指揮するっていうヒトもいるし、鮮やかには分かれないんですけどね。日本では普通のコンサートを聴く機会は多いけど、オペラは少ないのでオペラ指揮者というのはあまり馴染みがないですよね。ぼくも、彼らに求められる素養は何か、っていうのが全然分からないし。
 そもそも言葉の問題があって、オペラ聴かないし。


 R・シュトラウスは初演だということもあって張り切って聴く。張り切って聴くと言う言葉が果たして適当かはさておいて…。
 この曲はヘルダーリンの詩に音楽をつけ、ソプラノが歌うというモノ。なんか子音が聞きづらいような気がしたけど、管理人の気のせいかな。歌を聴きながらも、プログラムに載ってる歌詞を追ってしまい、どちらも気もそぞろという有り様でした。
 ブラームスは弦を中心にしっかりならすピラミッド型の音楽。厚みのある弦の響きもあいまって、「ブラームスらしい」ブラームスを聴くことができた。なかなか良かったですよ。

ブラームス:交響曲全集

ブラームス:交響曲全集

朝比奈が他界する年に行われたブラームス全曲演奏会のCD。19世紀ロマン主義の系譜を引き継いだ「最後の」演奏と言っても良い。それまでの朝比奈のブラームスは一般の人には勧められなかったけれど、この全曲演奏のCDは同曲演奏の中でも充分推せると思う。
ブラームス:交響曲第4番

ブラームス:交響曲第4番

澄み切った美しさ、といえばワルター。朝比奈のようなむせかえるようなロマンティズムやセンチメンタリズムは無い代わりに、音楽美というものがあるのなら、それはまさにこのこと。
ブラームス : 交響曲 第4番 ホ短調 作品98

ブラームス : 交響曲 第4番 ホ短調 作品98

ミュンヘン・フィルが良い、っていうかもしれないけど、管理人は断然こっち。チェリビダッケの最盛期はこっちだろう、と個人的には確信している。きりりと引き締まったリズム、透明なテクスチャ。さすがチェリだと脱帽。
ブラームス:交響曲第4番

ブラームス:交響曲第4番

上記3つがどちらかといえば、やっぱり19世紀を引きずる「巨匠」の演奏にたいして、20世紀的音楽美の結晶というのがカルロス・クライバー