あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

映画化にあたって読んでみた@筒井康隆『時をかける少女』

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

 先週お腹が痛くてウチにいた分、本を読む。
 またも映画化した「時を掛ける少女」にちなんで、原作を読んでみる。
 管理人のヒトとなりを知ってるヒトは分かると思うのですが、本は読むけど小説はあまり読まないので結構珍しいです。本当は、最近ぼちぼちと読書をし始めた弟のために小説を読ませてみようかと思って買ってきたんですけどね。
 時をかける少女、すごいな。もう40年近くになるんだからなぁ。変な言い方だけど「現代の古典」の部類になってしまうのではないか?
 星新一小松左京筒井康隆は言わずとしれたSF界の御三家らしい。星新一はちょこっと読んだことあるんだけどな。筒井に至ってはテレビドラマで見る役者っぷりからはなかなか想像しにくいもののSF作家だという。
 ファンタジー小説の御三家とかいないのかな。ライトノベルとかじゃなくて、普通のノベルとされる話を書く作家でさ。


 この角川文庫版には時をかける少女の他二篇を収録するが、やっぱり時をかける少女がダントツで面白い。あえて、話の展開を抑制する手法はまことに見事。10代の多感な年齢の時に読めばなお面白いけれど、この歳で読んで、そのちょっぴり切ないような気持ちになるのも、なんだか悪くない気がする。
 精神的な初々しさってモノは出来ればいつまでも持ち続けていたいなぁ。とも思う。
 そーいえば、指揮者の山田一雄は肉体的エロスは歳をとるごとに無くなってしまうけれど、精神的エロスはそのヒト個人の精神力によっていくら歳をとっても維持することが出来る。と言うようなことを言っていた。
 もちろん、ここでいうエロスは「真善美へのあこがれという、自分には欠けたものを追い求めようとする、純化した衝動」を指すのであって、エロマンガとかの性愛とは異なります。
 たまには小説も良いなと思った。

一音百態

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