あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

弟に捧げるバラード@滝本竜彦「NHKにようこそ」

NHKにようこそ! (角川文庫)

NHKにようこそ! (角川文庫)

 二冊買うとブックカバーが貰えるんだよ!という弟の口車に乗せられ、もう一冊買ってみた。これくらいの小説は、昼下がりのひとときがあればサクッと読めるのが嬉しいところ。
 哲学や思想系統の本は一冊読むのになぜか1ヶ月かかったりものもある。せめてサクッと1週間で読めればいいのだけれど、なかなか頭が消化しきれなくて…。
 ともかく、読書をしなかったヤツが本を読む気になったんだから、まぁこれくらい買ってやっても…ってところだろうか。
 なんでこの本にしたか、答えは簡単。弟は出不精なので、引き籠もりはろくなコト無いよ、という小説を読ませてみようかと。もうちょっとパワーアップすればウチの弟もいわゆる引き籠もりになれるのですが、これを読んだらちょっとは考え方が変われば面白い。
 主人公は引き籠もり。その主人公の引き籠もりの日常を非常におもしろおかしく、生々しく描写している。さすが作者の滝本達彦自身が引き籠もり経験があるだけに、今の引き籠もりの生態が非常にリアルに迫ってくる。
 あまりの生々しさと、ダメっぷりに声を出して笑ってしまう箇所がいくつもあった。
 なんか登場人物が「The 三名様」とかと同じ雰囲気がしているなぁ、なんて思ったりして。
 なんで引き籠もりやニートになるの?という中高年の方々はそれこそ、この小説を読んでみると多少はその気持ちを知ることが出来る。もちろん、「知ることが出来る」のであって多分、「理解できる」とは思えないけれどね。
 逆に、引き籠もりのヒトは、「やっぱりそうなんだ」と思うんじゃないかなぁ。あるいは「俺はここまで酷くない」って思うのかも。


 ちなみにここに出てくるNHK日本放送協会ならぬニッポンひきこもり協会だそうです。だからNHKにようこそ、なわけであって、決して、皆様の信頼を回復し受信料を云々…という話ではないので注意。