Ein Heldenleben@都響定期演奏会感想♪
東京都交響楽団第632回定期演奏会 Aシリーズ(会場:東京文化会館)
モーツァルト:交響曲第1番 変ホ長調 K.16
モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 「ジュピター」 K.551
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」 作品40 *
指揮:梅田俊明
ヴァイオリン*:矢部達哉
昨日の予告通り、今日は月一回の都響定期演奏会です。
曲目もモーツァルトのジュピターにR・シュトラウスの英雄の生涯というカロリー満点のプログラム(笑い)。何がカロリー満点か、といえばこの曲どちらも名曲なんです。「有名曲」とは必ずしも言えないからフツーのヒトはメロディー聴いても分からないとは思うんですけどね…。けど、よくできた曲には違いない。
よほど指揮者が失敗しない限り満足が保証されたプログラムだったとも言えます。
さて、モーツァルトの1番。なんとモーツァルト8歳の時の作品。やっぱ天才は違うな…とはいえ、天才というか早熟だったというのもあるんでしょうね。きっと、おもちゃと遊ぶ感覚で(当時の)ピアノと接して、落書きと同じ感覚で五線譜に作曲していったのでしょう。
下手すると音大生よりも8歳のモーツァルトの方が曲が書けているかも!?音大生の曲聴いたこと無いんで何とも言えないんですけど(苦笑)。
ただ、これを8歳で書いたモーツァルトは凄い!というのであって、この曲が傑作か…といえば残念ながらやっぱり子どもの作品。(8歳の子どもの作曲だということを無視して)曲だけを取り出して聴いてみれば、恐らくこれくらいのレベルの曲は当時星の数ほどあったのではないだろうか?と思わせます。
「アマデウス」でのサリエリのセリフではないけれど、後世に残るほどのモノではない。それが今日演奏されたりするのは、ひとえにモーツァルトのその後の名声に追うところが大きい。
ジュピターは第1番とは対をなすようにモーツァルト最後の交響曲。クラシックの多くの交響曲の中でもジュピターの完成度は傑出しているんじゃないだろうか。この曲を聴いているとまさしくモーツァルトは天才だな、と思います。この頃のモーツァルトの作曲技法の素晴らしさは多くの評論家や学者や作曲家が指摘してるから、パスするけれど、専門教育を受けていない管理人ですら聴いていて「無駄なところがないな」と思わせるのだから凄い。
指揮の梅田俊明は非常に優等生的に演奏していた。うーん…表現が難しいんだよなぁ。これといって強力な個性がある訳じゃないんだけど、だからといって凡庸かといえばそーでもない。指揮の他にもピアノとかチェロとか室内楽(多分ピアノの関係だと思うけど)なんかも勉強している「幅の広さ」が今回の演奏でも生きていて、弦へのボーイング(弓づかい)にも細かく指示を出しているのだと思う。
曲の構成もきちんと把握しているし聴いていておかしいな?と思う箇所は一つもなかった。ま、曲そのものが良くできているっていうのが大きいんですが…。でも、それを殺さないで演奏するのだから非凡ですよね。
休憩を挟んでR・シュトラウス。モーツァルトと違って、第二次大戦後まで長命を保ち、ワーグナー、マーラーなどの「ドイツロマン派」のトリを飾る作曲家(だと個人的には思う)。今回のエントリのタイトルも「Ein Heldenleben」で英雄の生涯です。Lebenを「生涯」って訳語を当てた最初のヒトは偉いな。まさにハマった訳ですよ。ピッタリ。
この曲は通常2~4本しか使わないホルンを8本つかうなど、編成の大きな曲。東京文化会館のステージは広いものの、そこにオーケストラが展開すると丁度良くなるほどです。
この曲はホントに生で聴かなくちゃその真価は分からないなぁ。ブルックナーやマーラーにも言えるんだけど…。
ロマン派全開な曲だけに、曲のところどころで管理人も気持ちが高揚していくのが分かります(笑)。これはCDだと追体験しにくいなぁ…。
ちなみに、今日はなかなか客席は埋まってました。A席こそいくらか空いていたモノの、中央のS席はほぼ埋まっていたみたいです。やっぱりプログラムのおかげなのかなぁ…。
宣伝するようですが、来月は名匠・インバルが今回と同じくR・シュトラウスの曲を演奏します。アルプス交響曲なんだけどね。管理人はアルペン好きだから非常に楽しみ。この曲も大編成だから、やっぱり生に限る!11月は海外の有名オーケストラが来日しますが、だいたい1~5万くらいチケットがするので、学生割引2500円の都響を聴かれると良いですよ(笑)。のだめでも協力していることだしね♪
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