レビューはこないだ気合い入れて書いたけど、それ以外の本。
ここ1ヶ月くらいで読んだヤツ。ただし、自分が研究している本は除く、だけどね。
- 作者: 野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 新書
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ロジカルシンキングの本ではなくて、ホントに「論理学」の本。例えば、「A=BかつB=CならばA=C」といった時に使う「かつ」とか「ならば」なんかの使い方から一段一段階段を上るごとく、論理を積み上げていって証明している。
でも、そーやって「手順を踏むこと」で、最終的にはロジカルシンキングが出来るようになると思う。後半は結構難しいので、気にせず最後まで読んでから、また分からないところまで戻って読み返した方がイイと思う。
オススメ度→★★★★☆
- 作者: 井上勝生
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/11/21
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岩波新書から出た待望の新書日本史、近現代編。
第一回目は『幕末・維新』篇である。
従来の見解では、幕末、つまりペリー来航以降の江戸幕府の対応については低い評価しか与えていなかったが、この著者は、幕府の外交担当役人の能力を非常に評価している。また、一般民衆の自律的な経済、政治活動を当時の資料を丹念に読み返すことで、焦点を当てることに成功している。
高校日本史を一通りさらった人なら、非常に面白く感じること間違いない。
オススメ度→★★★★☆
- 作者: 長谷部恭男,杉田敦
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/11
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このブログでも過去に著書を紹介している憲法学者、長谷部恭男と権力論をはじめとする研究で注目される政治学者の杉田敦との対談。
杉田敦が政治学の観点から、憲法上の疑問点をどんどんぶつけていって、それにたいして長谷部が答える、というのが構図である。しかし、その答えを受けて、また政治学的に考察して杉田と長谷部で議論する形をとっている。
この本をいきなり読むのではなくて、基本的に憲法についての教科書(芦部の憲法とか)やかつてエントリで書いた長谷部恭男の『憲法とは何か』とか樋口陽一の『日本国憲法 まっとうに議論するために』を読んだあとで読まないとちょっとキツいと思う。
オススメ度→★★★☆☆
- 作者: 松田浩
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/05/20
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これも岩波新書。著者は長年NHK担当の記者をして、その後、大学教員になった人物。
これを読むと、いかにNHKが政治と癒着してきたのか良く分かる。
安倍晋三、中川昭一が圧力をかけて、放送する番組の内容を変更させた、といって朝日vsNHKの戦いになったけど、圧力はなかった、というNHKがいかにウソをついているかハッキリ分かる。
残念ながら、NHKと政府・自民党の「持ちつ持たれつ」のある種の「癒着関係」が会長人事から予算、ハイビジョン政策の推進などでいかんなく発揮している(苦笑)
基本的にNHKの歴史を振り返りつつ、ジャーナリズム論としてのNHKを考えたいヒトは読むとイイ。マス・メディアに興味関心のある人は必読。
オススメ度→★★★★☆
- 作者: 武田徹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/12
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これは出たての本。
上に掲載した『NHK』がジャーナリズムかくあるべし!みたいな内容だけど、それに対して著者の武田は、そーいうスタンスは胡散臭い、というわけだ。
ジャーナリズムの観点からNHKを捉えた上述の本に対して、本書は「公共性って何だろう」ってところから出発している。
そういうわけで、ここでは例えば斉藤純一の『公共性』やハーバーマスの『公共性の構造転換』なんかが引用されたりしている。個人的には杉田敦の『権力』やミッシェル・フーコーの『監獄の誕生』あたりも読むと、公共性や権力に対する考え方が深まってイイと思うが、それは政治学プロパーや思想プロパーな人に限るかも。
ちなみに、NHKが「公共放送」なのではなくて、経営形態の違うNHKと民放が「共存、競争する、全体を含めて」公共なのだ、という指摘は全く正しいと思う。
スポンサーの関係上視聴率至上主義にならざるを得ない民放に対して、そうではない視点から、視聴率はとれないけど、放送する価値があるものをNHKは放送できる。両者のそうした相互作用が視聴者にメリットをもたらす。
NHKの受信料、これが「契約制」であって義務制ではないのは、視聴者とNHK間での「契約意識」を持たせ、「視聴者も番組制作に間接的に関わっている」という自覚を持たせるために必要である、という議論に管理人も同意だ。
NHKの受信料は義務ではなくて「知る権利」行使の一形態だ、という認識がもっと広まればいい。
順番から行くと、先に松田浩の『NHK』を読んでから、こっちに移るとイイと思う。
オススメ度→★★★★☆
- 作者: ミル,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/12/07
- メディア: 文庫
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言わずもがなの古典。岩波文庫(50年くらい前の翻訳)から出ているんだけど、翻訳が堅くてねぇ。
光文社古典文庫から新訳で出たので軽く読んだ。これで自由論2度目。
新訳だから言い回しは随分、今の感覚に近く、その点は読みやすい。
でも、基本的にミルの文章って関係詞挿入なんかの修辞が多くて、一文が長い。だから、翻訳しても、どーしても一文が長くなる傾向にあって読みにくい。それは新訳でも相変わらず
とかく自由論といえば「多数者による少数者の抑圧」という側面ばかりが強調されるが、管理人の個人的な考えとして、自由主義の最大の特徴は「人間は自由を獲得することでより人間らしく成長する」というところにあるのではないか?
つまり、自由は人間の幸福に、そして人間の成長に不可欠の要素であるということだ。
まぁ、政治学プロパーや思想プロパーで読んだことないヒトがいたら、これをきっかけに読んで下さいよ。どーせ春休みなんだし。
オススメ度→★★★★★
っていうか、古典だから読んで(笑い)
マンガも紹介しないとね。
- 作者: 久保帯人
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/02/02
- メディア: ペーパーバック
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なんだかキャラ総出演。番組改変期の「イイとも特大増刊号」みたいな感じでまとまりがなく、ちょっとグダグダ。もうちょっと整理しておかないと、さらっと読んだら分からない。一杯いるキャラクターが同時進行で話が進んでいくが、その各個別のキャラクターの話が最近面白くないと思われる。ちなみに冒頭のポエムも全開。
- 作者: 二ノ宮知子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/02/13
- メディア: コミック
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前巻より面白い。やっぱり「不仲」な父親がここに来て初めて登場、というのが大きいのかな。でも、親子の確執ってなんか「美味しんぼ」みたいだね。
今回も、ニールセンの交響曲第4番『不滅』とかバッハのパルティータとかベートーヴェンのピアノソナタ第32番とか登場する曲多数。いつか改めて、CD紹介したいんだけどなぁ。