先週に引き続き、大学院で管理人が報告。
今週で終わるかと思ったら、何のことない。長々と発表したり、先生はじめとしてコメントいろいろで結局終わらず、来週持ち越しとなった。
ちなみに今回はスーザン・ストレンジの『国家の退場』を底本にして、国家の絶対性が「かつてのように自明視されない」議論を紹介。
今では広く認識されるようになった、「国家の絶対主権の揺らぎ」をストレンジは既に1996年の段階で指摘していた先見の明は一読に値する。
詳しく内容を紹介するのは管理人にその気があったら、ってことで。
簡単に言えば、ここで議論されているのは国家権威に加わって、市場(保険会社や監査法人など)や国際機構(国連やIMF、EUなんか)が大きな存在をするようになった昨今の政治状況では、かつてのように国家が独占的に権威を保持することはできなくなり、その権威の一部は上記の諸機関が所有するまでに至っている、という話である。
従って、国家の地位というのは「相対的に」低下している、というのがストレンジの結論だろう。
保険会社や監査法人が実は国際社会に大きな影響を与えている主体の一つである、という指摘は新鮮であり、かつ、とても重要だと思う。(あまりふれているものがないので)
- 作者: スーザン・ストレンジ,櫻井公人
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1998/11/20
- メディア: 単行本
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