あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

力みすぎの演奏!?東京都交響楽団第644回定期演奏会 

会場:東京文化会館

指揮:ニールス・ムース
フルート:マチュー・デュフォー
ハープ:シュレイファー弓子


ニコライ:歌劇『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299(297c)
ブラームス交響曲第4番ホ短調op.98


 休講になりました、といっていきなり遊んでるじゃないか!?と叱られそうだけど、そんなことはなく。定期演奏会なんで、去年からこの日にあることが分かったわけで…。
 週末だったこともあり、東京文化会館はほぼ満席。日本フィルは9月からの定期演奏会を金曜と土曜にするらしいですが、確かに週末はコンサート行きやすい。

 ただなぁ…やっぱ土・日は名曲コンサートだったり、ガラコンサートだったりしたらいいと思うんですよ。ホントの音楽好きが定期演奏会に行くってある程度棲み分けた方がどっちにとってもいい気がする。
 そうは言っても、オケも食っていかなくちゃいけないから顧客の要望を掴まないといけませんしねぇ。難しいところだ。


 さて、初登場のニールス・ムースはデンマークのピアニスト&指揮者。1985年生まれということだからまだ50歳にすらなっていない。とはいってもこないだのタン・ムーハイとか中堅クラスが最近の都響は多いので、なんて事ないのだけれど、彼らに共通することと言えばやっぱりオケをコントロールしようという気持ちが非常に強いな、ってこと。

 ニコライの序曲はそのスケールの大きめで、弦をしっかりと鳴らす演奏がプラスに作用している。充分鳴らされた弦の上に、咆哮し過ぎない金管がバランス良く、しっかりと「手綱」を締めた演奏をしていた。

 モーツァルトのフルートとハープの協奏曲はライヴでは始めて聴いた。
 モーツァルトの協奏曲って管理人のイメージでは完全に室内楽なんですが、その線からすると、今回のはちょっと規模が大きいな。なんていうんだろうか、モーツァルトっぽくない、と言えばいいのかな。
 それでもハープのシュレイファー・弓子は巫女のようだったし、しっかりとした音色を聴かせてくれた。なによりもフルートのマチュー・デュフォーが素晴らしい演奏をしている。
 マチューのフルートは力強さの中に繊細さがあって、一本筋の通った音を出す。これが結構大事なところな気がする。まだ若いから燻し銀のようなフルート、とはいかないけれど、モーツァルトのこの協奏曲には非常に適性を示していた。

 ちなみにアンコールはモンティのチャルダッシュ。あれは曲芸だね(笑い)。

 後半のブラームスもニコライと同様なことが指摘できる。
 非常にテクスチャが明快というかメリハリの強い演奏。例えば、弦のピッツィカートをかなり意識して弾かせる、とか、チェロからヴァイオリンへ旋律が移るときに、意識的にバランスを調整するといったコトがみられる。
 更に加えると、時折思い切ったテンポの変動をさせる。もっとも、テンポの変動それ自体はスコアに書いてある指示でもあるから、それを意識的にやっているともいえるけど。
 ただし、全体的にそういったバランスやテンポの変動に気を配っているようで、弦のボウイングとかはあまり注意していないみたいだった。

 やっぱりまだ50歳前の指揮者だから「力演」という印象が非常に強かった。たしかに盛り上げたりするんだけれど、そこにどうしても「ケレンミ」(外連味)を感じさせてしまう。これが自然に出来るようになるにはまだ経験が足りないと思う。

 管理人の場合、ブラームスの4番は朝比奈&新日本フィルベルティーニ都響とかが印象に残っているのもいけないのかもしれないけど…。


 終演後、文化会館の外でビラ配りをしている学生からビラを貰ってみる。
 今回もそうだけど、その心意気に管理人も乗ってみる。迷惑かもしれないけど(苦笑)

慶應ピアノ・ソサィエティー(KPS)
↑クリックするとHPにとべます。詳細はそちらへ。
■第39回慶應桐朋ピアノ・ソサィエティー定期演奏会のお知らせ☆
開催日:2007年5月26日(土) 開場:13:30 開演:14:00 入場料:500円
会場:きゅりあん小ホール@京浜東北線東急大井町線大井町駅

 音楽を楽しむココロにアマチュアもプロも関係ない、と管理人は思っているので載っけてみました。
 やる気のないプロの演奏より、気合いの入ったアマチュアの方がずっと感動することは結構多いです。(以前、某局のオケで酷い目にあったことがある。地方公演だと思ってあんな演奏して、と大いに憤慨したっけな)
 時間に余裕のある方は足を運んでみては?
 

 管理人のウチからは大井町遠すぎ(苦笑)

舞踏への勧誘?クナッパーツブッシュ名演集

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非常に個性的なニコライになってしまったけれど、圧倒的な存在感。
モーツァルト : フルート&ハープ協奏曲&クラリネット協奏曲

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ブラームス:交響曲第4番

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20世紀後半を代表する「美演」のクライバーウィーン・フィルも素晴らしいね。
ブラームス:交響曲第4番

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純音楽美な透明感ある、それでいてロマン性が垣間見られるワルター。編成の小さなコロンビア交響楽団だから迫力はない代わりに、隅々までワルターの音楽に共感しているのが手に取るように感じられる。
ブラームス:交響曲全集

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そして最後はやっぱり朝比奈。キャニオン盤(大阪フィルとの演奏)は確かにもたつくけれど、この新日本フィルとの2度目の録音は分厚い響きながら、見通しの良いテンポで進んでいく。3つの中で一番新しいけれど、19世紀ロマン派の衣鉢を継いだ大輪の花のような演奏。
邦人指揮者&オーケストラでここまでできたことを誇れる演奏だと個人的には強く思う。