仕事モードオン、男スイッチ入ります
- 作者: 安野モヨコ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/11/22
- メディア: コミック
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「働きマン」はもともと原作がマンガで、現在もモーニングで連載されているんだけれど、ついにドラマ化したわけだ。そういえば、もともとフジテレビのいわゆる「月9」枠でドラマ化する計画があったんだけれど、原作にはない恋愛の要素を入れたいという制作会社の要求に対して原作者の安野モヨコがNOといったらしい。月9といえばトレンディドラマ時代から恋愛はキーワードみたいなモンだった。(だからその代わりに亀梨和也と伊東美咲で「サプリ」をやったわけで…)
ってことは、今回のドラマ化はその辺、原作通りなんだろうね。
まー、ドラマに関する話はさておき、雑感のネタは上のこのコピー。
「仕事モードオン、男スイッチ入ります」ってヤツ。
恐らく、出版という仕事に代表されるように「この業界は全体的にキツい」っていうのが存在する。業種に苦楽はない!というヒトもいるかもしれないけれど、このコピーに端的に表現されるように、女性が仕事をするのであれば「男モード」にならないとやっていけない、そーいう業種(職種でも良いけどさ)があるのだ。
「男モード」が表象する「家庭を顧みないで一年365日一日24時間仕事のために粉骨砕身します」みたいな世界観によって成立する仕事は、(当然そこでは)女性「性」というものが全面的に後退する。
ジェンダー(社会的に作られた「性差」)の観点からすれば、こうした職業が成り立つためには夫婦のうちどちらかが極めて軽い労働ないしは専業主婦(主夫)をしなければ家庭は崩壊するだろう(ネタバレの要素も含むが事実、原作では別れる)。つまり、(仕事か家庭か)どちらかを犠牲にした上でしか成立できないような仕組みになっているのである。
これに対しては二通りの対応がフェミニズムなんかでは採られるのだろう。
一つが上述したように「男モード」になる女性をどんどん増やしていこうとするもの。
奥さんが「男モード」でバリバリ働くのであれば、自分は専業主夫になってこれを支える、という選択肢や、家事は家政婦さんにやってもらうという考え。
ただ、人間はただ仕事だけをすればいい、という存在ではない。仕事以外に生きていくために欠かすことのできない行為も多々存在する(たとえば家事であったり、他者との―家族を含めた―交流であったり)という主張を「仮に」受け容れるとしたら、それは別の対応を考えなければならない。
それが二つめの対応で、家庭を犠牲にしなければ成り立たないような職業のシステムを社会の側が認めないよーにする、という対応だろう。
女性「性」と男性「性」、つまり「sexとしての性差」が単に生殖能力の違いにしか還元できないとすればそれは一つめの、女性「性」という固有のものが備わっていると考えるのであればそれは二つめの考え方になるのだろう(そうすると、その固有の性差に応じた社会的役割分担を迫られる可能性もあるのだが…)。
どーなんでしょうね。
個人的にはマッチョに働かざるをえない業種や職種っていうのは良くないとは思うが…。各人がその職場の中でマッチョに働きたいか、フツーに働きたいかは主体的に選べるようになれればそれに越したことはないだろう。
とはいえ、なかなか答えが出ない話でもある。
- 作者: 竹村和子
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