あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

韓国大統領とその権限。

 ご存じの通り、お隣、韓国の大統領選挙の結果、李明博が次期大統領に。
 そんな韓国の大統領だけど、歴史的背景があるためちょっと独特。

・大統領の任期は5年で、1期限り。
 これは、大統領がそのまま独裁政治をする例が何度もあったため。
 この「1期」がくせ者である。アメリカの大統領もそうだけれど、任期が終わる前の大統領は「レームダック(=死に体)」となる。アメリカの大統領の場合は2期できるから、
レームダックになるのは2期目の後半以降になるのだけれど、韓国みたく1期限りだと、その求心力は3年ちょっとだろう。
 まー、日本なんて、前任者は1年しか持たなかったからそれよりは良いのかもしれないが…。(それを考えると、小泉内閣は文字通り「驚異的」だった。)


・大統領は国民による直接選挙で選ばれる。
 これはアメリカとかとは違います。二回投票制のあるフランスとも異なるかな。
 なんでそもそも直接投票なのかはよく分からないんですが…。もうちょっと調べてみないと…

・大統領の権限は非常に大きい。
 これは、北朝鮮があるため。日本人は忘れがちだけど、今も韓国と北朝鮮は「停戦(=戦争の一時停止)」しているだけであって、「平和・友好条約」を結んでいるわけではない。
 そのため、形式的な状態としては「戦争下」であり、強力なリーダーシップが必要。
 三権分立を超越した存在になっている。つまり、三権の上に立っているわけだ。大統領の権限がかなり強いというのは、フランスもそうなのだけれど、さすがに三権分立の上に立つほどではない。近代民主主義が権力分立(別に三権分立に限らない)というものをその制度的特徴だとすると、かなり特異かも。
 これが良いことなのか悪いことなのか、という問題はまた別。

北朝鮮への穏健路線から、ここ10年間、左派(革新派)の政権が続いたが、経済政策は失敗したため、韓国は日本以上に格差社会が進行しているという。
 経済再建のために、ソウル市長で実績のある保守派のハンナラ党李明博が大統領に当選するというわけだ。とはいえ、韓国の経済成長率はここ数年ずーっとプラスなので、正確に言えば高度成長から低成長ということなのではないか?
 非正規雇用が多いというのも、どの国にも共通する問題なのだろう。大陸ヨーロッパのように、多少の経済成長を犠牲にしても平等を志向するか、アメリカや日本の財界が目指すように「トリクルダウン(=滴下)」理論に立って、経済成長をあくまでも追求するか、ホントは韓国民もどちらを選択するか、考えなくてはいけないのだろう。
 とはいえ、この問題はブーメランのごとく日本国民にも問われているわけであるが…。

韓国現代政治

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