彩の国シェイクスピア・シリーズ第20弾 から騒ぎ
キャスト(主要)
ベネディック(小出恵介):パデュアの若い貴族
ビアトリス(高橋一生):レオナートの姪
クローディオ(長谷川博己):フローレンスの若い貴族
ヒアロー(月川悠貴):レオナートの娘
ドン・ペドロ(吉田鋼太郎):アラゴンの領主
レオナート(瑳川哲朗):メシーナの知事
管理人のスープは冷めるけど冷め切らない距離にある(どっちなんだ)芸術劇場でのシェイクスピアシリーズ第20弾。管理人がこのシリーズ見るのは2度目だけどね。
せっかく場所と演出に恵まれているんだから、行けるうちに観に行こうと。ちなみに管理人が観に行ったのはさいたまでの千秋楽より1日前。(このあと新潟でもやるらしい)
関連しながらも脱線するけど、この「から騒ぎ」をモチーフにしてベルリオーズがオペラ書いてるんですね(「ベアトリスとベネディクト」)。序曲は聴いたことあるかも、くらい(もう記憶が曖昧)。CD取り寄せて聴いてみようか?
「戯曲が書かれた時代の形式を踏襲し、すべての役を男性俳優によって演じるシリーズ内企画“オールメール・シリーズ”」ということで、今回の客層は9割以上女性でした。ま、もともとこの手の演劇でオッサンが来るってコトはないか。(あっても良いと思うんだけどさ)数少ない男性用トイレまでも今回に限り女性用にするもんだから、トイレを探すのにえらい時間がかかる(苦笑)。
舞台初主演という小出恵介は、そういう気負いはあるんだと思うけど、それが空回りにならず、堂々たる演技を魅せていた。幕が開いてから最初のうちこそ、堅いかな、と思ったけど、尻上がりに調子を上げていく感じで、観ているこっちがのめり込んでしまうほど。
「のだめ」や「ルーキーズ」で役者としての評判が上がっていると思うけど、着実に役者として成長していると思う。他のキャストも大したものだ。特にベアトリス役の高橋一生とか、鼻持ちにならないようなキャラクターを捉えきった演技である。ヒアローの月川悠貴も遠目からだとホントに女性に見える。(もっともこの「見える」という所作を究極に突き詰めていくと歌舞伎における女形に行き着くのだろうが)
あとは、やっぱり吉田鋼太郎だろう。今回は脇を固めるポジションなので、肩肘張らずに自在な存在感を示していた。いやホントにスゲーなぁ…と。
シェイクスピアの作品でから騒ぎは喜劇になるんだけれど、どうだろうか。お互いに結婚しない宣言をしている男女のウィットの応酬(個人的にはウィットを通り越していると思うけど。あれじゃ単なる毒舌になっている)にあらわれる喜劇性と、嫉妬から他人の結婚を邪魔しようと企むペドロの弟などなど、一筋縄ではいかないなと思わせる。ただ、この辺はもっと大きな英文学の流れや当時の世界観が分かるともっと面白いだろうな。
から騒ぎ シェイクスピア全集 17 (17) (ちくま文庫 し 10-17)
- 作者: W.シェイクスピア,William Shakespeare,松岡和子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/10/08
- メディア: 文庫
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