あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第673回定期演奏会 

会場:東京文化会館

指揮:ステファヌ・ドゥネーヴ
ピアノ:小山実稚恵

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30
ベルリオーズ幻想交響曲 op.14

 2ヶ月連続の名曲プログラム(先月は皇帝と巨人)。おかげで、というべきか客入りはなかなか良い。当日は雨だったし、これだけ文化会館に入ると響かないかなぁ…なんて心配もしたが、結果的に杞憂だった。

 ラフマニノフ小山実稚恵の曲への共感が伝わった名演。今まで、コレといってピンと来なかったこの曲が、今回初めて面白い曲だと思えたのだから感謝。それこそ、楽譜に書かれた音符が完全にピアニストのなかで消化されつくし、一音一音が有機的に鳴り響いていた。
 テクニックにばかり注意が向きがちで、それもその通りなんだけど、テクニックの先にある叙情性とかロマン性が遺憾なく発揮されていた。CD買って帰れば良かったかな。

 後半のベルリオーズは無難に仕上げてあって、悪くない。
 いや、もともと名曲だから、フツーに演奏しても悪くならないハズなんだけど、前回の巨人が「名曲なのにガッカリした」記憶があるので、若干心配していたのだ。今回も若手だし。意欲の方が先立ってしまうというのだろうか、曲の良さよりもあざとさが目立ってしまうと、聴いていてガッカリしてしまう。

 しかし、今回さすがにそういうことはなかった。管理人の勝手な推測なのだが、ステファヌ・ドゥネーヴにとってベルリオーズは「自分たちの作曲家」なのだろう。確かに、随分意欲的に「聴かせよう」とするが、前回ほどの違和感は感じさせないあたり、自分の理想とする音が明確にあり、それが都響にもシンパシーを持って伝わってくる。
 ベルリオーズの持つ音色の色彩感が結構上手く表現されていて、4、5楽章では若さも手伝い、エネルギーが充満していた。(ただ、プログラムにもあったけど、同じフランス系指揮者でもフルネの「幻想」とはだいぶ志向性が違うから、やりにくかったろうとは思う)
 2楽章でハープが左右対称配置になっているのが印象的だったのと、3楽章のオーボエが文化会館のコンディションが悪い中で、いい音を聴かせていた。あとは打楽器群が今回全体的に曲を弛緩させなかったのが良かったと思う。