あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

鳩山一郎や岸信介のDNA

 さしずめ、世襲議員が41%もいる自民党はDNAの見本市みたいなモンだろうな。

■「自殺にはDNAが関係」 鳩山前総務相が問題発言
 共同通信社 2009/07/12 21:07

自民党鳩山邦夫総務相は12日、地元の福岡県久留米市で行った講演で、親子が相次いで自殺するケースがあるとの認識を示した上で「自殺というのには、やはり何らかのDNAが働いているのではないかと言われている」と述べた。

 そして続いて、

遺伝をめぐっては、このほかにも「私が絶対に曲がったことをしないのは正二郎譲り」「うそで固めた政治資金収支報告書を出す兄(鳩山由紀夫民主党代表)に正二郎の遺伝子はあまり濃く残っていない」などと持論を展開した。

 なんていう記事があったりする。
 鳩山邦夫文科相やら法相やっていて、こういうことポロッと言われると、まさに「口は災いの元」じゃないのか。分かっていて言ってるのかなぁ…。
 性格形成には今も諸説あるらしく、相互作用説(遺伝×環境って発想)とか、輻輳説(遺伝+環境ってヤツ)が結構有力らしい。教育心理学受けたけど、結構うろ覚え。
 ただ、マスコミがこの発言をわざわざ採り上げるのは、別段、揚げ足取りをしたいわけではなくて、その発言が「優生学」や「社会ダーウィニズム」に繋がりかねないからだろう。
 人間の能力や性格をDNAに強く求めすぎた歴史的事例が、ナチによるホロコーストで、ドイツ民族の遺伝子にマイナスの影響を与えるユダヤ人やドイツ人でも障がい者や同性愛者はアウシュヴィッツへと送られていった。
 また、福祉国家として名高いスウェーデンでも、優生学的な発想から、障がい者への強制的な断種を生んだ。つまり、たとえ、人格形成にDNAがある程度関係していても、そこに重点を置きすぎると、「人間は誰もが尊い」という近代民主主義社会の土台が崩れてしまう。

 犯罪者の子どもも犯罪者になりやすい?
 病気がちの親を持つ子どもも、病気に罹りやすいから、医療保険は別途に掛ける?
 両親が優秀だったら、その子どもも優秀だから、社会に有為な人材にするべく、エリート教育を施して、その逆はいくら教育してもムダだから、単純労働力として考える?

 それって、まずいでしょ。
 言葉足らずだとしても、ミスリードしかねない表現は慎むべきで、それこそ政治家に求められる資質だろう。


 注.これは精神疾患を持つ人の家族に、類似的な傾向がある、という相関関係を否定するものではない。そのことが、プラスの意味で精神疾患患者と、その家族へのフォローに繋がればいいのである。
 しかし、肝心なのは、その「フォローに繋がる」仕組みそのものを作るのが、他ではない政治家に求められることである。ただし、残念ながら、かの発言からそこまでの認識を持っているとは思われなかったので、コー言うエントリを書いた次第。