あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

果たして民意とは?

東京新聞の夕刊から

政権交代歓迎でも民主に不安 護憲派悩む1票

2009年8月24日 14時05分

 自民、民主の二大政党対決が最大の焦点となっている衆院選で、憲法9条の改正に反対してきた護憲派有権者が投票先に悩んでいる。政権交代が起きて、改憲を目指す自民党の下野は“歓迎”だが、改憲派議員は民主党内にも少なくなく、一票の効果的な投じ方に思いを巡らせている。 (社会部・橋本誠)

 「憲法を踏みにじる自公政権を退陣させる選挙。憲法9条を輝かせ、戦争の犠牲者を出さないよう見守ってください」

 終戦記念日の15日正午すぎ、東京・千鳥ケ淵戦没者墓苑の納骨堂で、改憲に反対の市民団体「平和フォーラム」が開いた集会。社民の福島瑞穂党首が誓いの言葉を読み上げたが、ほかに出席した国会議員は民主の那谷屋正義参院議員だけ。「オバマ米大統領と手を携え、核廃絶を訴える」と鳩山由紀夫代表のメッセージを代読したが、憲法改正問題には言及しなかった。

 安倍政権下の2007年、与党は憲法改正手続きを定める国民投票法(来年5月施行)を強行採決。今年6月には衆院憲法審査会の委員数や手続きの規程を可決した。

 「どんどん戦争が近づいてくる」と社民支持の男性(77)=東京都杉並区=は危惧(きぐ)する。戦時中は開墾や国内の飛行場建設に学徒動員され、南方でマラリアにかかった父親は復員後間もなく亡くなった。

 憲法改正を進める自民党政権の“降板”を求めてきたから、政権交代への期待は大きい。

 ただ「民主党は心配だ」とも感じる。護憲派だけでなく、先制攻撃論を唱える改憲派まで混在するからだ。今月8日の共同通信衆院選候補予定者アンケートでも、9条を含む改憲派が2割を占めた。

 支持政党がない足立区の期間社員の男性(37)は、衆院選では「比例は社民、小選挙区は民主に入れる」と言う。「憲法9条は守るべきだが、今の小選挙区制で与党を倒すには民主党に入れるしかない。民主党は安全保障問題で揺れているが、憲法はすぐには改正されないのでは」

 社民は民主ブームに埋没しないように“両面作戦”。「憲法9条を守りたい人は全員社民党に」と護憲をPRする一方で、民主と選挙協力する選挙区では「政権交代」を強調する。

 共産も民主内部の改憲志向を強く警戒し「憲法改正の動きが出れば、防波堤になって戦う」と訴える。

 都民対象の本紙電話世論調査では、社民、共産に投票を予定している人は、他党への投票を予定している人に比べ、一番の関心事として憲法を挙げている割合が高い。

 こんな記事が出てくるくらいだから、実は東京新聞内部では、共産・社民の埋没がハッキリデータとして上がっているんじゃないのか?なんて勘ぐりたくなる
 小選挙区制は多数代表制のために、第三党以下が議席に反映しにくいという難点がある。端的な話、死票が多いために、死票を嫌う有権者は二大政党のどちらかに収斂しまいがちなのである。日本の場合、小選挙区比例代表並立制だが、小選挙区の比重が高いために、どうしても二大政党志向になりやすい。(そのあたりがドイツとは大分異なる)

 さて、政治的多元主義の観点からすれば、体制内部の軌道修正が容易にするために複数の価値観が並存していることが望ましい。ただ、ここ数回の衆議院選挙、参議院選挙の結果からみると、世論はどうもそうではないらしい。
 しかし、二大政党に投票が収斂するとしても、その内部には一定数の(死票を嫌う)そうした有権者の投票が含まれているわけだから、その場合の民意を、代議制民主主義はどのように汲み取るのかという問題が当然あると思う。
 さて、郵政選挙の時の「学習」があったかどうか、結果は30日にハッキリする。