東京都交響楽団 第686回定期演奏会
10月23日(金)19:00開演(18:20開場) 東京文化会館
指揮:オレグ・カエターニ
ピアノ:カティア・スカナヴィ
曲目
モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 op.26
ショスタコーヴィチ:交響曲第6番 ロ短調 op.54
噂の指揮者、カエターニ。
鬼才・マルケヴィッチを父に、イタリア人の母を持つカエターニ。ロシアとイタリアという、果たして上手くいくんだろうか?なんて邪推を抱かせるが、ところがどうして、今回の演奏は凄かった。ちなみに、容貌はオヤジに似てるよ、背が高いかどうかは分からないんだけど。指揮台いるのかよ?なんて思うし。
モーツァルトの29番は作曲者18歳の時の曲だという。ホントに異次元の天才だなぁ、なんて思ったり。編成は30人くらいの室内楽オケのような感じ。コンバスが2人だったから、そこから推して知るべし。これはそれほどの感想がないな。
プロコフィエフの協奏曲3番はCDで聴く以上に、実演に接すると、その視覚的効果に圧倒される。まったく、ずいぶんと労力を使う曲を書いたんだな、と。ひっきりなしにピアノ弾くんだけど、あれだけ大変な曲だとは恥ずかしながら思わなかった。
スカナヴィはロシア系だけれど、系統的にはロシア南東部というか、スラヴ系の感じがする。あくまでも管理人のステレオタイプ的なイメージからすれば、なんだが。
姿勢が独特で、前にのめりながらピアノを弾く。グールドだったか、忘れたけれど、ピアノの打鍵よりもアタマの方が下にさがっている、なんて書いてある本があったけど(なんだったっけ?)、それを彷彿とさせる。
まだ30を過ぎたばかりで、スタミナ、技術的にこの難曲を最後まで(音楽的な威にでも)完全に弾ききるのは本当に凄いとおもう。スケールというか、硬質感はないけれど、一音がしっかりと弾かれ、必要な音量はしっかりと出ている。
アンコールはショパンのノクターン。
多分、プロコフィエフだけじゃないというのもあったのかもしれない。静謐な演奏。
ショスタコーヴィチの6番は録音等も含めた中で、ベストな演奏だった。いままで今ひとつ掴めなかった曲が、実は非常によくできた曲だったのだと分かったんだから、嬉しい限り。曲のアタマから、充実した弦の響きだ。神経質にならず、大きくこの曲を描いていく。今回はとりわけ木管群が検討していた。安心して曲に集中できる。2楽章ではひさびさに文化会館全体が共振するような迫力も魅せる。2楽章から3楽章までの高揚感。会場の反応から見ても、今回の演奏は凄かった、としか言いようがない。都響事務局は、再来年の契約を結ぶべし!!
カエターニ、都響の定期演奏会でショスタコーヴィチの7番とかやらないなぁ…。ここ数年7番からは遠ざかっているでしょうに。
- アーティスト: オレグ・カエターニ(cond),カエターニ/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団&合唱団,パヴェル・クディノフ(BS),マリーナ・ポプラフスカヤ(S),ミハイル・ダヴィドフ(B),ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団,ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ合唱団
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