あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

ヘタレ+イタリア=ヘタリア

ヘタリア Axis Powers

ヘタリア Axis Powers

 「国の擬人化」という世評もあるヘタリア。知り合いから借り受け読んでみる。

 だが、どちらかといえば「国の擬人化」というよりも、ステレオタイプ的なそれぞれの国の国民性を擬人化した国にコミカルタッチで描かせたモノ、という印象が強い。
 そこに世界史的な各国間の協力・敵対関係が加わって、このマンガの大枠が完成される。最低限、1巻では高校の世界史程度の知識がないと、それぞれのキャラクターが、何の歴史的事実を下敷きにして話が展開されているか全く分からないと思う。

 でもって、国の数だけ登場人物が出てくるので、キャラクターは膨大になるのだが、2巻での巻頭でようやくキャラクター紹介一覧が載っていた。これは1巻で載せるべきだったのではないかと思う。

ヘタリア 2―Axis Powers (2) (BIRZ EXTRA)

ヘタリア 2―Axis Powers (2) (BIRZ EXTRA)

 2巻では世界史的な側面は後退し、いわゆる「国民性」をコミカルに表現している部分が多い。文化地理的な側面が強まればもっと面白いのだが。そう、あくまでも「国民性」なのであって、そこにはホロコーストスターリンによる粛正やら日本やらアメリカの…という政治性は全くない。
 それとともに、ここに描かれた「国民性」や「歴史的経緯」は当たり前だが、日本人作者から見た、それである。やはり西洋中心史観になってしまうのは、我々高校の教科書が、近代以降、もっぱら西洋史を軸として書かれるのと同じであろう。

 ただし、ひとこと注釈をつけるならば、近代以前まではイスラーム圏や中華圏の方が文明の発達度は高かったというのは、知っておいた方が良いと思う。

 なので、1巻コメントと同じになるが、国擬人化というよりもやっぱり国民性の擬人化といったらいいと思う。

 このマンガが、単行本としては輪郭がハッキリとしない画になってしまっているのは、出版社が出版社であることを放棄して、安易にweb上での鉛筆画を載っけたことに原因があるのだろう。何らかの加工が「プロの編集者」としては必要ではなかったのか?

 とはいえ、のほほんと読むのならまったく問題はなかろう。