産経新聞がすごすぎる件について
衆議院選挙で自民党が大敗したとき産経新聞の記者がtwitter上で「産経新聞が初めて下野なう」「でも、民主党さんの思うとおりにはさせないぜ。これからが、産経新聞の真価を発揮するところ」
なんて投稿して(9月2日だと思ったが)、会社から謝罪をしたことがあったが、今回もなかなか産経新聞の見出しの付け方が凄いことになっている。
千葉景子法相は27日の閣議後会見で、慰安婦への補償や、永住外国人への地方参政権付与を求める市民集会に祝電を送ったことを明らかにした。その上で、法相として集会の内容に賛意を示したことにつながるとの指摘については「参院議員ということで対応した。そういうことは決してない」と述べた。
また、千葉氏は祝電を送った理由を「まったくこれまでの議員としてのお付き合い。ご無礼がないように儀礼的にお出しをしたもので、それ以上のことはない」と説明した。
集会は21日に川崎市内で開かれた「川崎・富川(ぷちよん)市民集会」。「過去を変えるな、未来を変えよう!」をテーマに韓国・富川市の市議を招き、民主党の川内義博参院議員も祝電を送った。開催趣意書によると、富川市議会は9月に「日本軍『慰安婦』問題解決を促す決議」を採択。決議には姉妹都市である川崎市への働きかけが盛り込まれている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091127/stt0911271149006-n1.htm
括弧付けで「反日集会」という言葉が出てきたから、当然、記事の中に反日集会という名称があるのかと思ったら、どこにもなかった。
すごいよな、自分と意見が違う人間を「反日」とレッテルを貼ることで満足するなり、攻撃しようとするというのは愚の骨頂である(時代状況が違うので戦前との比較をする気はないが、精神構造上の共通点はあるように思う)。一応コレでも3kは「全国紙」である。文化欄など、ときどき質の高い記事を提供しているが、今回の記事の見出しは同人誌レベルだ。
というよりも、国会で民主党が過半数をとる現在の政治状況にあって、「反日」は一体何を意味するのか良く分からない。別に愛国心は3kの専売特許じゃないだろうよ。
ルナンの『国民とは何か』において、彼は次のように述べる。
国民とは魂であり、精神的原理です。実は一体である二つのものが、この魂を、この精神的原理を構成しています。一方は豊かな記憶の遺産の共有であり、他方は現在の同意、共に生活しようという願望、共有物として受け取った遺産を運用し続ける意志です。
あえて、このあとのまとめの部分じゃないところから引っ張っているんだけど(理由はこの文章が自分の中で消化不足)。まだ民主党政権になって2ヶ月。だから現時点において「反日」というレッテル貼りが(実はまったく無効なんだけど)未だに有効な気がしているんだろう。もちろん、その行為をしている本人には、という留保つきではあるが。
しかし、ジャーナリズムとして、理性を越えたところに行ってしまった感のある3kと、恐らくこうした記事に溜飲を下げる輩はいるんだろう。そうなると、ルナンの言うところの「共に生活しようという願望」はそこに存在するのだろうかという懸念が生じてくる。
その意味において、日本国民なるものはもとより存在しないのかもしれない。