あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

陰謀という陰謀。

小池百合子twitterがまったく残念なことになっているらしい。
 11/29の書き込みには次のようなコトが書いてあった。

中共の「日本解放工作要綱」にならえば、事業仕分けは日本弱体化の強力な手段。カタルシスを発散させながら、日本沈没を加速させる…。」

 「中共」というのは中国共産党の略。「カタルシス」というのは、この文脈に即して言えば、公開処刑のような事業仕分けは国民の持っている官僚制への潜在的な不満の解消、とでも言えばいいだろうか。ストレス発散のパフォーマンスとしての事業仕分け、なんて思っているのかもしれない。

 なんでコレを採り上げたかと言えば、まかりなりにも小池百合子自民党における「次の総理大臣候補」の一人であった、ということだ。総理大臣にはそれ相応の知性が求められるが、この書き込みの妄想具合は残念ながら同人作家並みと言えるのではなかろうか。せっかく環境大臣時代に音頭をとってある程度の成功を見たクール・ビズなど、評価できる面もあったのだけれどね。うーん…。

 ただ、よくよく考えてみれば、そのような陰謀論は最近になって事欠かない。田母神の「太平洋戦争は共産主義勢力の陰謀だ!!」とか、産経新聞の「民主党の教育政策は日教組の陰謀だ!!」とか、亀井静香ユダヤ金融の陰謀だ!」などなど。
 それに今回、小池百合子の「中共の陰謀だ!」が加わっただけともいえるし。

 ところで、結局、これは誰の陰謀なんですか?
 流行語大賞にノミネートすれば良かったのに。「陰謀論」ってさ。子ども店長と並んでツーショット。

 まあ、ちょこっとだけ、真面目なハナシをすると、陰謀論陰謀論と呼ばれる所以は、それが社会科学的な検証過程を意図的に省略したり、操作することによって、通説的な言論に対抗しようとする、一種のプロパガンダの側面があるからである。

 したがって、小池百合子がしなければならない批判は、陰謀論ではなく、事業仕分けのような手法によって、安易に予算を削減することは、日本社会の活力を削いでしまうと言うことを論理的に説明することであろう。サッチャーヴィクトリア朝の倫理観に訴え、個人の自立から、英国福祉国家を批判した。仮に、小池自身に目標とするところがあるならば、ワケの分からない批判などせず堂々と所信を述べればいい。
 もっとも、その能力がないから陰謀論に逃げ込むのかもしれないが…。

 案外どころではなく、健全な野党になるのは想像を絶する困難さがあるのかもしれない。