あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

『若者の働きかた』 (叢書・働くということ)

若者の働きかた (叢書・働くということ)

若者の働きかた (叢書・働くということ)

 高校や専門高校、ドイツのデュアルシステム、そして大学教育がどのように就職に結びついているのかの研究書。現在のような若者をめぐる雇用情勢のなかで、本書の内容は、社会的に共有されるべきだろうとおもう。
 とりわけ、管理人が気になったのは、進学校でもなく、職業高校でもない、普通科高校がどちらに特化できるわけでもなく、(ある意味で)一番厳しい、というトコロだろう。これは他人事ではない。
 だが、実際に管理人が感じるところだと、近年の大学新設ラッシュによって、いわゆる「大学全入時代」がやってきてしまったことによって、若干変わってくるのではないか? 50分の授業ですら座って受けられない高校生でも、就職をするわけでもなく(それほどの覚悟があるわけではなく)、かといって、受験勉強をするわけではないのだが、AO入試などで大学に入ってしまうのだ。(ウラを返せば、入れてしまう大学があるということである)
 
 そういった、中堅未満の大学の学生の就職がどうなるか、が今後の研究分野として出てきそうだ。
 本書で指摘されているように、すでに今の段階で、かつての高卒レベルの仕事を、大卒が行うようになってきている現状もある(すでに高卒で就職を希望する絶対数自体が、大卒のそれに比べて少なくなっているという事情もある)。
 実際、大学進学の能力が疑わしくても大学に合格できてしまう以上、それまでとは異なるシステムが出来上がってくるのだろう。