鈴木邦男『右翼は言論の敵か』(ちくま新書)
- 作者: 鈴木邦男
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/12
- メディア: 新書
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その点で、いかがわしさは前衛による暴力革命論を思考した極左と変わらないのだが、極左が絶滅危惧種になっているのにたいして、いまだに右翼はいるわけで、そのあたりも一般人との乖離を甚だしいものにしているんじゃないかなぁ、なんて個人的には思う。
本書は新右翼「一水会」顧問の鈴木邦男によって書かれた。なぜ、右翼は言論の敵と見なされるのだろうか。そして、右翼とは何だろうか。そのあたりについて本書は著者自らの体験に根ざして、右翼活動のなかで知り合った様々な「右翼思想家」についてその人隣と思想を紹介している。
「では、右翼の当事者たちはどう思っているのか?「愛国者」「国士」「草莽」と自分たちを呼んでいるが、日本人を濃縮した代表選手だと思っている。だから日本を守るためには自分の命を投げ出す覚悟でいる。本気で真剣にそれを考えている。その「本気」「真剣が一般の人には怖い。怖がる一方で、言葉でいうより捨て身の行動に拍手喝采する感性を持ち合わせているのが、これまた日本人だからややこしい。
右翼はもともと暴力を目的としているわけでも何でもない。本気で、真剣に、思想や言葉を伝えようとしているのだ。読者の皆さんは「エーっ」と思われるかもしれない。しかし、言葉が伝わらない絶望感がさらに右翼のテロを生み出していく。この本では、いったい右翼はどんな思想を伝えようとしたのか、僕の体験を交えながら書いてみたいと思っている。」
要約は後日。