- 作者: 長谷部恭男
- 出版社/メーカー: 羽鳥書店
- 発売日: 2010/01/08
- メディア: 単行本
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著者は東大教授(憲法学)
フリーペーパーか何かで、憲法について解説した連載を単行本化したものだと思われる。管理人もちょくちょく読んでいて、単行本にならないかなーと思っていたら、案の定(笑い)、なった。
人権を中心に解説しているが、詳しくは著者による教科書をあたると良いだろう。この本で特に興味を持ったのは、憲法をゲームのルールに喩えている。つまり、チェス(将棋でも良いだろうが)のように、いつの間にかルールが出来て、それを当然だと思って人々が受け入れている。と言う事実に起因する問題だと言うことが出来るだろう。そこには社会契約による憲法の基礎付けからは後退すると思われるが、逆に言えば、そのような基礎付けをしなくとも、憲法には正統性が存在すると言うことでもある。
外国人や天皇の人権にもページが割かれ、定評ある「芦部の憲法」で触れてない憲法概念についても知ることが出来る。併せてこの著者による『憲法と平和を問いなおす』も読むと良いだろう。