あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

新交響楽団 第209回演奏会


2010年4月18日(日)14時開演
曲目 ウェーバー/歌劇「オベロン」序曲
   シューベルト交響曲第7番「未完成」
   ブルックナー交響曲第9番

指揮 飯守泰次郎
東京芸術劇場大ホール

 日本屈指のアマチュアオーケストラ新交響楽団の演奏会を聴いてみた。管理人が初めて新響を聴いたのは、もう、10年近く前になるだろうか。そのときの演奏会で、アマオケながらこんなにパワーのある演奏が出来るのかと思って、以来、ときどき聴きに行っている。

 今回は飯守の指揮でブルックナーの9番だから、結構期待していたり。


 ウェーバーはオーソドックス。まだオケが全体的に緊張しているかな?角笛の役割を果たすホルンが固い。まだオケも乗っていないような感じ。それでも、展開部からは、躍動感があってよかった。

 シューベルトの未完成は、後年のベームを思わせるような、なかなか前に行かない音楽。管理人のアタマにはどーしてもワルターがいるから、それとの比較になってしまうワケなんだけれど。飯守の解釈もそれ程成功していないように思う。文字どおりの「未完成」な感じだった。

 今回のメインはやっぱりブルックナーだろう。アマオケブルックナー?なんて思うけれど、新響なら大丈夫と踏んでいるのだろう。確かに、人数も充分いたので、迫力が不足するというところは無かった。無い物ねだりだとすれば、弦楽器の質感やダイナミズムに不足するあたりだけれど、それは無い物ねだりというものである。
 逆に8本いるホルンはしっかりと吹ききり、頼もしい限りであった。木管群は時に弱いかな、とも思ったが、ちゃんと出すべき時には出していたので、そこは解釈なのかもしれない。mfを「聴かせる」ように吹けるかというのは凄い技術なんだろうなぁ、とも思うが。

 ちゃんと書き残すべきコトは、楽団員が飯守の解釈するこの曲に対して、共感を持っていることが演奏から窺えることだろう。デカい音だけさんざん出して、ちっとも共感を覚えないようなブルックナー演奏をたまに聴かされるが、今回に関して言えば、聴いていて、全く不自然さを感じなかった。オーソドックス、と言うような言葉ではなく、きちんとブルックナー演奏における本質を飯守は押さえていて、それにオケがきちんと応えているのだろう。

 その共感の度合いは、3楽章でピークに達する。本当に素晴らしい。アマオケにここまで聴かせられるとは思わなかった。逆に充分な時間がこの演奏を生んだのかもしれない。とにかく、この時ばかりは弦楽器群がボウイングを生かしながら、時にはカタルシスすら感じさせる空間を生ませていく。そして、最後のホルンが消えたあとは、しみじみと良い音楽だと思った。