あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団  第239回定期演奏会

創立35周年記念ベートーヴェン交響曲全曲シリーズ第1回

2010年5月31日(月)@東京オペラシティ

指揮:飯守泰次郎

ベートーヴェン / 歌劇「フィデリオ」序曲 Op.72b
ベートーヴェン / 交響曲 第4番 変ロ長調 作品60
ベートーヴェン / 交響曲 第7番 イ長調 作品92
交響曲はマルケヴィチ版による)

 というわけで、10年ぶりとなる飯守泰次郎&シティフィルによるベートーヴェン・チクルスの第1回。すっかりお馴染みとなった「第7番」のプログラムである。

 10年前と違って会場が東京文化会館からオペラシティになったのと、使用楽譜がベーレンライター(出版社の楽譜)からマルケヴィチ(←編纂者の個人名)版へとなったのが大きな違いだろう。

 クラシックの世界も「原典回帰」が進んでいて、ベートーヴェン達の生きていた時代の演奏様式や演奏方法を忠実に再現するような演奏が流行っているけれど、管理人は正直なところ、ハイドンモーツァルトなら理解できるがベートーヴェン以降でそれをやられてもウンザリしている。聴いていて楽しくないし。 そもそも、当時と今ではコンサートホールの大きさも、オーケストラメンバーの人数も違うのに、カタチだけ過去に戻ってもなんだかなー、という印象を受ける。

 その点、テクスト主義とコンテクスト主義との見解の相違と同じようなモンなんだろうね。

 今回のマルケヴィチ版は、ワインがルトナーやフルトヴェングラーに続く、一種、昔から受け継がれてきた演奏様式の延長線上にあるような楽譜だ。

 大ざっぱに言えば、最近耳にすることがめっきり減った、懐かしいタイプのベートーヴェン演奏だった。こざかしさのない、大人の構え。オケは豊かに鳴り響き、テンポもせかせかとすることなく、要するに19世紀生まれの巨匠達の流れを受け継ぐかのような演奏。 ただし、彼らほどの「アクの強さ」はない。

 オケの配置は、一番後ろにコンバスが7人並ぶという珍しいカタチ。これがマルケヴィチの支持だったのかは管理人には良く分からない。ただし、この版にはテンポ設定やスタッカート、さらには弦のボウイングに独特の研究成果が生かされているらしい。


 ケチって2階席にしたけれど、英雄とか運命の時はS席にしようかなぁ…。