あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

神野直彦『財政のしくみがわかる本』

財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)

財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)

 著者は長年、東大で財政学を講じ現在は関学教授。

 「財政」の役割というのは一体何なのか?
 本書はジュニア新書でありながらこの根本的な原理についてシンプルでありながら、その核心をしっかりと述べる。
 
 財政は市場が供給しない(供給するのは「ウォンツ」である)けれど、人間生活において不可欠な「ニーズ」を提供する役割を担っている。 ゆえに政府は税を集めて、民主主義の手続によって、「ニーズ」を決定し、財を配分する。

 税の徴収方法、つまるところ、直接税と間接税を、どのような割合で集めるのか、という議論は、「どのような社会保障制度を作るか」という制度設計と密接である。

 「ジュニア」新書ながら、税のしくみなど、対象者には若干難しいところもあるが、じつは学生や社会人が財政のもっとも基礎的な考え方を学ぶには一番最初に薦めたい1冊である。