あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第700回定期演奏会 Aシリーズ(6/16)

会場:東京文化会館

指揮:エリアフ・インバル
ソプラノ:ノエミ・ナーデルマン
メゾ・ソプラノ:イリス・フェルミリオン
合唱:二期会合唱団

マーラー交響曲第2番 ハ短調「復活」


 1965年に設立され、45周年を迎えた都響は今回、第700回の定期演奏会だ。記念すべき今回はインバル得意のマーラー「復活」である。

 第1楽章から弦の強烈な刻みだ。特にチェロとコンバスの迫力は会場を一気にこの曲の持つ死への恐怖へと引きずり込んでいく。6月という、弦楽器にとっては大敵の湿気の多いシーズンで、今日あたりは特に酷かったが、終始、緊張感が途切れることなく演奏していた。ただデカい音だけではない、質感を伴った響き。これは素晴らしい。

 改めて思ったけれど、インバルはやはりマーラーが素晴らしい。ブルックナーでは「???」というような印象を一度ならず受けたけれど、マーラーは曲と指揮者の相性が良いとでも言えばいいのだろう、音符の一音一音が完全に自らのモノに消化されている。実演でこれくらいの演奏が聴ける機会なんて滅多にあるモノじゃない。
 もっとも、それは都響マーラーに対する深い理解も欠かせない。歴代指揮者たちによるマーラー演奏の蓄積があって、今回のような演奏が出来ているのであって、「100人の人間が汗をかきながら一つの曲を演奏する」オーケストラの良し悪しを決めるのは、最終的にはやはり人間なのだろう。

 後日にミューザ川崎サントリーでも演奏会があるけれど、700回という節目と、一発目、という緊張感が良い方向に作用していたと思う。

 週のど真ん中に、シゴトの後から、都内までノコノコと出かけてコンサートを聴く。予定が立て込んでると、シンドイなぁ…と思うときも時々あるけれど、今日みたいな演奏が年に1度くらいは聴けるから、定期会員は辞められない。