あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第703回定期演奏会 Aシリーズ

会場:東京文化会館

指揮:アレクサンドル・ドミトリエフ
ピアノ:横山幸雄

プロコフィエフ交響曲第1番 ニ長調 作品25「古典交響曲
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品 23
プロコフィエフ交響曲第7番 嬰ハ短調 作品131


 何気にプロコフィエフを演奏している都響による、ロシアンプログラム(笑い)。
 指揮者のドミトリエフは、名前から察するようにソ連(現ロシア)のレニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれだから、「お国もの」の演奏と言うべきだろう。75歳という年齢を全く感じさせない、長身かつ、均等の取れた肉体である。背中が丸まってないし、凛々しい指揮姿は、何となくロシア系指揮者のイメージとは違う(笑い)。

 ピアニストは直前に変更になって横山幸雄になった。なんでも、体調不良だという。是非ともリベンジして来日して欲しいものだ。


 プログラムの順番とは異なるが、チャイコフスキーの協奏曲から。
 ピアノはチャイコフスキーにしてみればあっさり目な印象だ。例えば、録音で聴ける、リヒテルのようなデリカシーのない、だが魅力とも言えるような表現とも、アルゲリッチホロヴィッツのような表現力とも無縁な、端正なチャイコフスキー像である。それでいつつ、テンポはわりあいゆっくりとるので、だったらもっと分厚い音が鳴っていても良いのかなぁ、と思う。そのあたりが横山のピアノっぽい。
 テクニック的には衰えのない年齢なので、そのあたりは安心である。基本的に曲が盛り上がっても大きくならない。そのセーブしておいたエネルギーはフィナーレのコーダで、爆発させていた。


 プロコフィエフは管理人はゲルギエフの録音くらいしか聴かないから何とも言えないんだけれど、そこから比べれば、かなり大らかな印象。世代の違うもあるのだろうか。ただ、弦楽セクションを中心に神経質にならずしっかりと鳴らしているから、当日の降りしきる雨という、楽器にとっては良くないコンディションにも関わらず、しっかりとした手応えがある演奏だった。
 ちなみに、7番の4楽章のコーダは賑やかに終わるバージョンだった。好き嫌いで言えば、静かに終わる方が良いんだが、そこはあの時代を生きたドミトリエフであるから「あえて」賑やかに終わるようにしたのだろう。

 まあ、なかなか悪くはない演奏だった。とは言いながら、チャイコフスキーやら、グラズノフなんかを演奏させてみても悪くはないような印象。今度はそっちもやって欲しい。