ラトルとグレイト
- アーティスト: ラトル(サイモン),シューベルト,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2006/01/12
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (7件) を見る
ひとことで言えば、モダン楽器でピリオド志向になるとシューベルトはこうなります。という見本のような演奏に仕上がっている。
それだけだとつまらないだろうから、もうちょっと付け加えると、グレイトは、それこそフルトヴェングラーやワルター、クナッパーツブッシュ、バーンスタインといった「歴史的な巨匠」による堂々とした演奏があり、その後、ブリュッヘンやらインマーゼルの古典楽器による演奏もある。
前者の演奏が、かなり強烈な個性を放ち、かつ、説得力を持ってしまっているので、最初からそうした演奏に慣れ親しんでしまったヒトにとっては辛いかもしれない。
第1楽章は新鮮な響きが拡がる。今まで他の楽器に埋もれていたような、それぞれ楽器のニュアンスが生かされている。逆に言えば、音に分厚さがないので、物足りなさを感じないかと言えば、ウソになる。
それは続く、第2、第3楽章にも当てはまる。そして、終楽章は曲のもつ推進力が結構削がれているので、迫力に欠けてしまうが、各パートの掛け合いは「なるほどな」と思うので、痛み分けか。
セルの演奏が好きなら難なく聴ける部類に属する。ともあれ、好みの分かれる演奏だろう。ラトル好きなら無条件で好きなはず。
もちろん、管理人もラトルは嫌いじゃないが、グレイトに関していると、彼のアプローチはあまり成功してないと思う。
個人的にわりかし良く聴くのは、クナッパーツブッシュとバーンスタインというあたりがかんけいしているんだろうな。