あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

都響スペシャル「第九」

東京都交響楽団「第九」演奏会
2010年12月24日 会場:東京芸術劇場

ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
ベートーヴェン交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付」

指揮:ジェイムズ・ガフィガン
ソプラノ:エヴェリーナ・ドブラチェヴァ
メゾソプラノ:イリーナ・チスチャコヴァ
テノール:ポール・チャールズ・クラーク
バス:ミハイル・ペトレンコ
合唱:二期会合唱団


 毎年芸がないモノの、一年の最後のコンサートは第九である。
 今年は会員先行発売日当日にチケットを買ったので、2階中央最前列という、個人的にはベストな座席で聴くことが出来た。クラシック音楽聴かない人に若干補足して言えば、クラシックの場合は最前列がS席ではなくて、音楽がバランス良く聞こえる座席がS席なのだ。だから1階中央とか、2階の前列中央などがS席になることが多い。
 東京芸術劇場は1階のS席は音が頭上を抜けていくような印象を管理人は強く持っているので、今回の座席はベストである。

 オベロン序曲は、ファゴットやホルンが快調に鳴り、ティンパニによる抉りも効いたなかなかの演奏。多分に座席の影響もあるのかもしれないが…。テンポ感も適度にあって、指揮者はオケを上手い具合にドライブしている印象。

 第九はその健康なテンポ設定がプラスにもマイナスにも作用した。いたって健康な第九である。まるでラジオ体操第二のようなキビキビとした第九だ。弦がちっとも歌わない。今回が都響初だという指揮者のガフィガンはまだ1979年生まれだから31歳になる。個人的には相性も何も分かったもんじゃないんだから、いきなり第九を振らせるなよ、なんて思うんだが。人材がいなかったんだろうか?

 ティンパニのメリハリ、木管(ホルンもかな)のメロディラインをしっかり吹かせるなど「随所にらしさ」が見られたのだが、全編を通じてラジオ体操第二のように…(苦笑)。とりわけ3楽章でそれだから、アダージョアダージョでないようだ。流れていく、というよりも、トコトコと小股で道を歩いて行くような忙しなさである。
 楽章間のインターバルを除くと60分強の演奏時間だったんじゃないかな。オケをしっかりと鳴らすのは良いのだけれど、ねぇ。

 あと、独唱陣だけではなく、合唱も第2楽章終了後からぞろぞろと舞台に上げていた。ノドをいたわってのことだと思うが、おかげで2楽章と3楽章の間で音楽の流れが途切れたように思う。独唱はテノールが声量不足だった。調子悪いのかな?ムリに向こうのヒト連れてこなくても良いのに。ただ、女声陣は素晴らしい。声色はフツーだけれど、オケと合唱の間に位置していながら、充分な声量でホールを満たした。それもがなり立てるようないやらしさは全くない。
前回の第九もそうだけれど、都響二期会を使うので合唱は安心しきって聴ける。発音や声量共に問題ない。さすが二期会

 感想で言えば、ガフィガンはショルティのような職人なんだろうな。そのリズム感とか、オケのなら仕方は良いんだけれど、第九のようにプラスアルファを期待すると厳しいのかもしれない。ストラヴィンスキーバルトークをやらせたら上手くいくと思う。