あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京交響楽団 東京芸術劇場シリーズ 第107回


2011 2/25(金) 7:00p.m.  東京芸術劇場

パヌフニク:交響曲 第3番「祭典交響曲(シンフォニア・サクラ)」
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
スタンフォード交響曲 第3番 ヘ短調 作品28 「アイリッシュ

指揮:大友直人
ピアノ:上原彩子

 東京芸術劇場での大友直人プロデュースもこの度予定されている芸術劇場改修工事によって、区切りをつけることのなったようだ。このシリーズの最後に選ぶ曲が何とも渋い。ラヴェル以外は管理人も実演は初めて。

 パヌフニク(ポーランド→英1914 -1991)の曲は現代音楽と言えば現代音楽である。プログラムに即していえば、ポーランドカトリックの伝統に根ざし、グレゴリオ聖歌を念頭に置きながら作った曲だという。あんまり印象に残らなかったなぁ。
 ただ、パヌフニクはイギリスではなかなかポピュラーな存在らしい。ポーランドと言えばペンデレツキくらいしか思い浮かばないけどねぇ。

 ラヴェルは洒脱な感じは出ていなかった。もともと上原彩子はその手のピアニストではないような気がする。管理人が聴いた実演ではグリモーが素晴らしかったな。マジメなラヴェルである。うーん・・・。 あと、この曲はホールも関係すると思う。芸術劇場にはホールが大き過ぎるんじゃないか。 ピアノとオケがどうもズレて聞こえてくる。今回管理人の席は2階の前列だったから、そんなにズレないハズなんだが・・・。 
 それでもフィジカル的な面から言えば、ピアニストとして最もバランスが取れている時期であるから、その意味で技術的な、音量的な不満は全くなかった。 ロンであるとかフランソワであるとか、その辺の「無い物ねだり」をしている管理人が悪いっちゃ悪い(苦笑)。

 スタンフォード(英1852-1924)はチャイコフスキーエルガーなどと同時期に活躍した作曲家で、ロマン派に属する。ケンブリッジの音楽部教授としても活躍し、ホルストやヴォーン・ウィリアムズなどを指導した。
 音楽は「ザ・英国音楽」である。ということはエルガーやヴォーン・ウィリアムズらと雰囲気は似ている。特にこの3番はなかなか良くできていた。(楽器編成は2管編成、ハープあり、全4楽章)

 ナクソスくらいからしかCDが出ていないけれど、エルガーと同じくらいのポピュラリティを持って良いくらいの作曲家だ。それほどしっかりとした構造を持った曲だ。 とりわけ終楽章はスケールも大きく、ほどよく昂揚する。

 なかなか面白い演奏会だった。

スタンフォード:交響曲集 第3集

スタンフォード:交響曲集 第3集