あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

それはこじれる原因だ

 普天間問題の当事者にして、この程度の認識である、という事が分かる共同通信からの記事だ。
http://www.47news.jp/localnews/okinawa/2011/03/post_20110306192033.html

沖縄は「ごまかしの名人」 メア米日本部長が発言 
 米国務省のメア日本部長(前駐沖縄総領事)が昨年末、米大学生らに国務省内で行った講義で、日本人は合意重視の和の文化を「ゆすりの手段に使う」「沖縄はごまかしの名人で怠惰」などと発言していたことが6日までに分かった。

 メア氏は米軍普天間飛行場の移設問題など日米交渉に実務者として深く関与、移設先を名護市の辺野古崎地区とした現行案決着を米側で強く主張してきた人物の一人。発言は差別的で、日本と沖縄への基本認識が問われる内容だ。

 ほかに関連記事として、発言内容の要旨が掲載されていた。
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030601000391.html

 米国務省のメア日本部長の発言要旨は次の通り。

 海兵隊8千人をグアムに移すが、軍事的プレゼンス(存在)は維持し、地域の安全を保障、抑止力を提供する。

 (米軍再編の)ロードマップのもとで日本は移転費を払う。日本の民主党政権は実施を遅らせているが、私は現行案が実施されると確信している。日本政府は沖縄の知事に対して「もしお金が欲しいならサインしろ」と言う必要がある。ほかに海兵隊を持っていく場所はない。

 日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。

 しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う+。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。

 沖縄の主産業は観光だ。農業もあり、ゴーヤー(ニガウリ)も栽培しているが、他県の栽培量の方が多い。沖縄の人は怠惰で栽培できないからだ。

 日本に行ったら本音と建前について気を付けるように。言葉と本当の考えが違うということだ。私が沖縄にいたとき、「普天間飛行場は特別に危険ではない」と言ったところ、沖縄の人は私のオフィスの前で抗議をした。

 沖縄の人はいつも普天間飛行場は世界で最も危険な基地だと言うが、彼らは、それが本当でないと知っている。(住宅地に近い)福岡空港伊丹空港だって同じように危険だ。

 日本の政治家はいつも本音と建前を使う。沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている。

 アメリ国務省(日本で言うところの外務省に相当する)の日本部長(前駐沖縄総領事)であるならば、アメリカ国内で、アメリカにおける沖縄の重要性について十分な説明をするべきだろう。そして同時に、それが沖縄県民の犠牲と負担の上に成り立っていることも併せて指摘するべきではないか?

 孫崎亨は日本が駐留米軍にたいして支払う費用は、全NATO加盟国の予算のそれとくらべても多く、1.6倍だと指摘している。
 にもかかわらず、「当事者がこの程度の認識」なのである。

 そしてこの程度の認識を持つ人間によって普天間問題は話し合われていたのだ。それではハナシが前進するはずもない。最初からその程度の認識によって、そもそも沖縄を侮蔑しているからである。基地の移転は日米の安全保障上の問題だが、沖縄という一地方の事情を解決しなければならないのは、沖縄県民というそこに暮らす人々という人間の尊厳に対する配慮があるからなのだ。
 そうした人間の尊厳など持ち合わせていない人間が普天間問題について話し合っているのだから、この問題が片付くはずがない。

 この問題に関する鳩山由紀夫の「抑止力は方便」発言は確かに批判される内容だった。しかし、今回のこの発言に対してメディアは当然、深く掘り下げるべきだ。こうした認識を持つ人間によっていかに普天間問題は歪められたかを検証する必要がある。
 それと同時に、政府は抗議すべきだし、沖縄県民は怒りを表現するべきだろう。