シュルレアリスム展―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―
管理人のように美術に素養の無い人間が、シュルレアリスム展はなかなか冒険だった。マン・レイ展は行かなかったが、ダリ展には行けたことがある管理人にとって、今回がシュルレアリスムについて初めてではないんだけれど、どうも敷居が高いように思われる。
ただ、放送大学で「芸術史と芸術理論」で多少は勉強したし(笑い)、今度はもうちょっと分かるだろう、という期待淡いもある。
シュルレアリスム、日本ではシュールレアリズム「超現実主義」なんていう方がポピュラーだが、新しい美と真実を求めた文化・芸術運動だと管理人は理解している。
この手のモノについて書かれた本を全く読んでいないから、好き勝手に考えているのだけれど、大きな思想的潮流としてはシュペングラーの「近代の没落」に対応するような運動ではないのか? 芸術に限らない、西洋近代が生み出したあらゆる思考枠組、世界観、そして美学、芸術表現に対して、その根本から解体して、芸術の持っている根源的な力を取り戻す。それがシュルレアリスムなのではないだろうか。
思想の面ではそれが「ポストモダン」につながっていくし、音楽でもストラヴィンスキー以降のいわゆる「現代音楽」に連なっていく、(西洋世界に限るのだろうが)思潮ないし運動の大きなパラダイム(というと大袈裟か?)があるように思う。(まあ、その一方で、R.シュトラウスは最後まで、あーいう曲を作るのであるが・・・)
フランスの詩人ブルトンによって「宣言」されたシュルレアリスム宣言はダリ、マグリット、エルンスト、デ・キリコ、ミロ、タンギーらの賛同者をえてフランスを中心に大きなうねりになる。それを集中的にポンピドゥーセンターが所有している(ちなみにポンピドゥーはフランス大統領の名前)。
どんな作品が展示されているかは下のURLを参照に、どうぞ。
http://www.sur2011.jp/
ともあれ、それぞれの作品は、一面において(そのような)「シュルレアリスムとはこのようなものだ!!」といった自負が感じられるようなモノであった。ただ、個人的にはそうしたシュルレアリスムのモチーフになっていそうなアフリカとかのプリミティヴアートなどは、典型的なコロニアリズムではないのかなーとも思ったりするのだが。
このあたり、「餅は餅屋」だから、美術専攻の友人でも作らないとダメだね。ああ、そんなヒトを手段のように考えてはカント先生に怒られてしまいそうだが。
印象派以降の芸術理論についてもっとよく勉強すると、面白いんだろうなー。コレも将来の宿題と言うことで(苦笑)。
こんなのが展示されている。ぜひ是非、美術館でホンモノをみるべし。
ダリ 不可視のライオン
マグリット 秘密の分身
エルンスト ユビュ皇帝