あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

NHKテレビ ニーチェ『ツァラトゥストラ』 2011年4月 (100分 de 名著)

NHKテレビ ニーチェ『ツァラトゥストラ』 2011年4月 (100分 de 名著)

NHKテレビ ニーチェ『ツァラトゥストラ』 2011年4月 (100分 de 名著)

 読書メモというか視聴メモ。いや、やっぱり読書メモかな。

 4月からNHKが新番組を始めた。その名も「100分 de 名著」シリーズである。
 以前、「1週間 de 資本論」という特別企画をやっていたのだが、好評だったのだろう、再放送、再々放送をしていた。今回はそのレギュラー化である。

 ただ、毎回、資本論ばかりやるわけにはいかないのだろう。個人的には「ドイデ(=ドイツ・イデオロギー)編」とか「経哲草稿(=経済学・哲学草稿)編」とかマルクスの著書をどんどん抉って貰っても構わないんだが。

 話を戻す。レギュラー化したこの番組は、毎週25分×4回のテレビシリーズになる。
 第1回目は東京医科大学教授でヘーゲルなんかのを研究しているイメージが強い西研の解説による『ツァラトゥストラ』である。

 この「100分de名著」には、NHKのテキストが同時に発売されていて、それがなかなか面白いのだ。いや、番組も面白いのだが、わずか100ページ余りながら、ニーチェ思想の核心を分かりやすく解説している。

 一般に西洋思想の解説書と言えば大学の一般教養向けのテキストか、あるいは、新書サイズの「ニーチェ入門」(竹田 青嗣によるちくま新書とか)になってしまう。 どちらも悪くはないんだけれど、思想入門の概説書では数ページ程度の説明だし、逆に新書になるとなぜか分かり難くなってしまうから、高校倫理の延長線で1冊と言うときに極めて重宝する。

 この中で、著者はニーチェ思想をルサンチマンを出発点としながらも「超人思想」と「永遠回帰」の2つを軸に説いていく。それでいえば、ニーチェツァラトスラの中で、諦念ではなく「生き生きとした生」を求めているとも言えるのだろう。どーでもいいが、ある種の大日本青春教の管理人に近いとも言える(笑い)


 フランス現代思想系の理解ではなく、ヘーゲルと必ずしも対立させないスタンスは面白い。