あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

隠れてしまったもの

民主党代表に野田佳彦が就任したことについては、時間があれば、また。
 ここ数日はその代表選でメディアは持ちきりであった。TVメディアがこぞって島田紳助の引退のハナシや代表選挙の政局ネタを取り上げている最中、東京電力がなかなか重大な事実を公表した。

東京新聞:論説室から 「想定外はウソだった」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2011082902000032.html
 東京電力が先週の会見で「福島第一原発は高さ十メートル超の津波に襲われる可能性がある」と試算していたことを明らかにした。
 東電は二〇〇八年に試算していながら放置し、原子力安全・保安院に報告したのは東日本大震災の四日前だった。「高さ九メートル超の津波が来る」という別の試算もあり、こちらは〇九年に保安院に報告している。
 東電と政府はこれまで「地震津波は想定外」と言い続けてきたが、実は想定内だったわけだ。
 国民を欺き続けた揚げ句、世間の関心が民主党代表選に集まっている時期を狙って白状した。当事者として試算があるのは最初から分かっていたのだから、完全な確信犯である。
 なぜ、いままで黙っていたのか。
 単に世間の批判を恐れたというだけではない。それは賠償問題への思惑が絡んでいたはずだ。東電は「地震津波は想定外の自然災害だったから賠償は政府の責任」という論法で生き残りを図ろうとした。
 ところが「想定内の津波だった」となれば、東電が責任逃れできなくなる。だから、賠償枠組みが決まるまで隠し通そうとしたに違いない。政府も知っていながら賠償支援機構法が成立するまで黙っていた。
 原発事故をめぐって、また一つ重大な情報隠蔽(いんぺい)が明るみに出た。東電と政府は「共犯関係」にある。これでは信頼回復などありえない。 (長谷川幸洋

 大きなニュースがあるときに、不都合な事実を持つ企業や団体(もちろん自治体も当てはまるのだが)はそのドサクサに紛れて、その事実を公表する。
 夕方のニュース枠は1時間とか、新聞の紙面も社会面で2ページとか、情報を載せる時間やスペースは限られているから、自ずと耳目を集めるネタを大きく取り上げてしまい、こうしたニュースは相対的に扱いが小さくなる。
 ウラを返せば、企業や団体はニュースで取り上げられる扱いが小さくなることが分かっているから、あえて、そういう時期を見計らって公表するのである。これが管理人が「ドサクサに紛れて」と表現した理由だ。

 「原子力賠償支援機構法」は「原子力賠償支援機構」が、東電の債務超過→破綻(するとは考えにくいんだけど。地域独占だから)を回避して賠償支払いを着実に行うための相互扶助の仕組みのようだ。
 政府の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」が東電の資産査定をして、東電に資金支援をする仕組みである。平たく言えば、原発被害に対する賠償金を東電は銀行から調達することが難しいから、じゃあ、国が支援しましょう、というカタチになる。

 東電の責任追及と、原発政策に対して見直しを掲げる菅政権は退陣してしまうし、この法律が成立してしまえば、賠償の仕組みは整い、東電・経産省は今のカタチのまま原発政策を推進できる。だから東電・経産省的には「勝ち」なのだ。

 逆に言えば、東電側からみれば、この法案が成立するまでは記事にあるとおり、「想定外」である、という姿勢をとりつづけなければ、原発事故は東電の100%自己責任になってしまう。「想定外の大災害」ゆえに発生した事故だからこそ、自分たちには瑕疵はなく、国に支援して貰うのはやむを得ないことなのだ、という筋書きが必要なのだ。

 ここで一層明らかになったのは、東電の原発計画が民間企業の発想ではなく、最初からリスク負担は国がやるという前提で、経産省もそれを支援するカタチ行われてきたということだ。
 お互いの共犯関係で原発政策を推進してきたのである。

 国会においては共産党・吉井英勝衆議院議員によって、この事態は指摘されていたし、当の東電自身も気づいていたにも関わらず、放っておいたのだ。あれだけの大事故を起こしながら、未だに企業の体質が改まらないところをみると、アジア・太平洋戦争終戦において原爆投下はヒロシマだけでは終わらなかったことと、同じ道を辿るのかもしれない。