あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

都響スペシャル 第九

都響スペシャ「第九」会場:東京文化会館

指揮:大野和士
ソプラノ:天羽明惠
メゾソプラノ:小山由美
テノール:市原多朗
バリトン:堀内康雄
合唱:東京オペラシンガーズ

※出演者が変更になりました(12/23)
ブラームス: アルト・ラプソディ――ゲーテ「冬のハルツの旅」による
ベートーヴェン交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」

 日本人中堅指揮者で最も勢いのある一人と言って良い大野和士による第九である。個人的な話だけれど、第九を文化会館で聴くのはホントに久しぶりだ。どのあたりで聞けばいいのかすっかり記憶がない(苦笑)。さらにいうと、今回チケット買うのが遅れてしまったため、ちょっと席が悪かった。それも残念。
 
 演奏は流行りの表現を使えば「安定の第九」とでも言おうか(笑)。3楽章までは非常に見通しの良い演奏だった。文化会館の響きも影響しているのだろうけど、弦のアーティキュレーションが透けて見えるような感じなのだ。
 オケのバランス感覚にも優れ(それがベートーヴェン的な迫力というや熱気につながらないマイナス面もあるけれど)、音楽が美感を損ねることはない。それでいて、この年代の指揮者が持つパッションが曲の盛り上がりに応じて発揮される。良い意味での優等生的な演奏だ。

 さすがだと思ったのは東京オペラシンガーズによる合唱である。200名以上が舞台上に登るN響とは違って、人数は100名もいたかな、とおもう程度だったが、声楽の素晴らしさを堪能できる演奏だ。さすがプロ中のプロによる合唱である。人間そのものを楽器として響かせる、その技術も、そこから生まれる歌もそうなのだが、本当に生命力溢れる歌声である。オケの音が押され気味になるほど文化会館のホールに響き渡っていた。

 終楽章の最後はプレストをかけまくり、まるでフルトヴェングラー並みだった。終演後、奇声のようなフライングブラボーがあったが、そこはやむを得ないような気もした。

 やっぱり、この曲は「合唱」なんだなー、ということを実感した演奏会だ。