あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

北京故宮博物院200選@東京国立博物館

美術館HPより

日中国交正常化40周年を迎える2012年、東京国立博物館は北京故宮博物院の名品展で幕を開けます。
 明時代の永楽帝(えいらくてい)から清時代の宣統帝溥儀(せんとうていふぎ)まで24人の皇帝が居城とした紫禁城(しきんじょう)に由来する北京故宮博物院は、壮麗な宮殿建築と180万件を超えるコレクションを誇ります。
 この展覧会では、それらの貴重な文物から選りすぐりの名宝200件が出品されます。二部で構成されるうち、第1部では、今まで門外不出とされていた宋・元時代の書画41件の展示をはじめ、宮廷絵画や文人画の名品、書のファン必見の宋三家、元代文人の名品を一挙公開します。青銅器や玉器、陶磁器、漆器琺瑯器、染織品といった多彩な分野の傑作も揃う、まさに北京故宮展の決定版というにふさわしいラインナップです。第2部では、清朝最盛期を築いた乾隆帝の4つの肖像画を軸に、清朝の豊かな世界観を読み解きます。数々の名品とともに描かれた肖像画「是一是二図」を、現存する作品によって再現するコーナーも必見です。中国文明の粋が凝縮された「皇帝のコレクション」をぜひご堪能ください。

 というわけで、学生のときに北京の故宮で見て以来の鑑賞だ。
 今も大して勉強してきたわけではないけれど、あれから10年近く経って果たして何がしかの変化は自分の中で起こっているのだろうか?とも思う。

 HPにあるとおり、第1部は宋・元代の書画が並ぶ。もっとも唐代の作家ではないから、書道をやる人ではないと「ふーん…」と思うかもしれない。管理人は書道する人なので確かに見事だった。ただ、釈文が無いから何が書いてあるかは分からないし、草書になると何書いてあるか分からない。ただし、正確無比な公文書のような字ではなくそこには生き生きとした書き手の息遣いが感じられ、黄庭堅の草書や趙孟フの絵画など、素晴らしい。

 素晴らしいと言えば、紀元前10世紀よりも更に昔の商代周代の青銅器なども見られた。白河静の『漢字』を読むと、漢字の成り立ちは単純なカタチの象形ではなく、そこに呪術的な行為や意味合いが存在すると指摘したが、その説は確かに一理あるな、と思わせるだけの存在感が当時のモノにはある。
 また、皇帝の正装(その刺繍の鮮やかさ!!)や調度品など、歴史の資料集に出てくるようなモノも見られたので面白かった。実際にホンモノを見ようと思ったら、北京まで行かなくちゃいけないしねぇ。


 ただ、これだけ大々的にやって思ったが、やはり、凄い作品は台湾の故宮に持って行ってしまったんだなぁ…と、去年台湾で見た作品を思い出しながら感じてしまった。台湾くらいならまた行けるかなー。行きたいな、なんて。