あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

さいたまネクスト・シアター 第3回公演『2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」』

彩の国さいたま芸術劇場芸術監督・蜷川幸雄が旗揚げした若手演劇集団「さいたまネクスト・シアター」。2011年3月には、追加オーディションで選ばれた12名の若者たちが加わり、新たなスタートを切った彼らの第3回公演が決定。今回は、蜷川の“十八番”シェイクスピアの「ハムレット」を上演する。

さらに、日本を代表する演歌の女王こまどり姉妹」が特別出演。73年の舞台『泣かないのか?泣かないのか?一九七三年のために?』演出ノートにあったという「上演中に突然、三味線を持ったこまどり姉妹が歌いながら来る。この時ぼくらの舞台は拮抗できるのか?」という思いが、40年越しに実現する。

イメージはここの写真が見やすいかなー、と。
[www.nikkei.com/life/review/article/g=96958A90889DE1EBE2E1E6E2E6E2E0E1E2E0E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;p=9694E0E5E2EBE0E2E3E3E6E1E4E6:title=日本経済新聞 レビュー]

 年度末に向けて猛烈に仕事が加速していく中、無理クリ時間を作って観劇する。
 18:30開演の22:00終演。それも大ホール・舞台上に作られた特設会場で、パイプ椅子(のようなヤツ)に座布団が敷いてあるだけだったから、体調不良気味の管理人にはなかなか辛かった。

 まず、驚くのが、今回の舞台は大道具が一切出てこない。舞台は透明なアクリル板が床板にしかれており、舞台下が丸見えである。そこに、開演前に準備する役者たちの姿がある、という何とも斬新な仕掛けだ。
 だから、今回の芝居は舞台床上と舞台床下を実に効果的に使われる。時としてそれは、迷路のような地下と地上の役割を果たし、また、あるときは現実と死後の世界を表したり、舞台劇ならではの醍醐味を味わえた。

 もっとも、ハムレット役の川口はこの大役を務めるには、もっと観客を吸引するような魅力が欲しい。そのあたりは場数とか、いろんな要素があるのだろう。

 あと、蜷川自身が語ったように、特別出演する「こまどり姉妹」の存在は強烈なインパクトを持っていた。「こまどり姉妹」の持つ、ドサまわりをする、一種のアンダーグランドな、失礼な言い方を承知で言うと、ある意味下品な感じ。それが若者たちだけで演じられるシェイクスピアハムレットにぶち込まれるのだ。ハムレットが苦悩に身を悶える中、振り袖姿のこまどり姉妹がやってきて「幸せになりたい」と舞台を一周して出て行く。
 これは劇なのか、何と言うべきなのか、シュールというのかダダというのか、なんか、そんないろいろなことを思わせられた。
 古典的なシェイクスピアハムレット、というよりも、その現代性は凄まじい。救いがあるとすれば、それは何なのか、まだ管理人自身は答えが出ない。そんな芝居だった。