エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』
家族・私有財産・国家の起源―ルイス・H・モーガンの研究に関連して (岩波文庫 白 128-8)
- 作者: フリードリッヒ・エンゲルス,戸原四郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1965/10/16
- メディア: 文庫
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内容は副題にあるように文化人類学者である「モーガンの研究に関連して」家族や国家の起源について説明している。原始社会は男女ともに平等であり、集団生活を送っていた、まさに「原始共産制」である。だが、やがて徐々に文明が発達するにつれて人びとは「財産」を持つようになる。野蛮状態から、未開へと進化し、文明社会へいたるのだ。その際、財産の発生はそれを囲い込むために、つまりは私有財産制が確立するために、男性は女性を所有するのである。
そうやって氏族的な共同体から家族は発生し、文明が進むに従って、それはより大いなる国家へとその機能は補完されていく。
現在ではどこまでモーガンも妥当するか怪しいけれど、ともあれ、財産制度から家族の誕生を説くあたりが、さすがにエンゲルスである(笑い)。