あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

近代国家への模索 1894-1925〈シリーズ 中国近現代史 2〉

近代国家への模索 1894-1925〈シリーズ 中国近現代史 2〉 (岩波新書)

近代国家への模索 1894-1925〈シリーズ 中国近現代史 2〉 (岩波新書)

 著者は東大准教授。1894−1925年とタイトルにも記載されているように、清朝末期から中華民国の成立までが本書が扱っている範囲だ。ヨーロッパでは国民国家化が進み、日本では黒船来航から大日本帝国の成立にみられるように、アジアでも封建体制から近代国家への模索が行われていた時代である。そうした時代において、中華世界の中心的国家である清国ではどうだったのか? それは日本のそれと同じように、自分たちの世界を「中国である」と自覚する、そうした過程でもあるように感じられた。
 歴代王朝ではなく、それらを総称する国家の名称としての「中国」が初めて国号になる過程でもある。 しかし、ヨーロッパ全体よりも大きな清国には、明治維新に観られるようなドラスティックなドラスティックな変革は起こらなかった。それにはやはり、中華世界は巨大すぎ、歴史がありすぎたのだろうか? 改革の気運は変法となって現れるが、それがうまくいかなかった理由について、著者の突っ込んだ見方が欲しいなぁ、と個人的には思った。