あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

さいたまネクストシアター「オイディプス王」

 さいたま芸術劇場でネクストシアターによる「オイディプス王」を観る。全開は、こまどり姉妹が出演するハムレットであったが、今回は「古代ギリシャ三大悲劇詩人の一人であるソポクレスが、紀元前427年ごろに書いた戯曲。ギリシャ悲劇の最高傑作として、最も挙げられることが多い作品である。テーバイの王オイディプスの物語を題材とする。」(Wikipediaオイディプス王だ。
 劇場に着いたら、パンフにビラが挟まっていて、演出の蜷川幸雄狭心症で入院したとの事が書かれていた。
 とはいえ、きちんと周りが支え、芝居そのものは紛う事なく「蜷川のオイディプス王」だった。

 実は管理人はコロス(合唱隊)が出る芝居は初めてだ。2時間の芝居中、コロスが群衆役として出ずっぱりなのだが、階段以外に舞台装置がない中で、彼らがセットの役割をも果たしているのには、驚かされた。面白いのが、そのコロスは全員が三味線を背負い、弾くのだ。よく聴くと、旋律を弾くものと、伴奏にまわるものとで2組に分かれているのだが、実に効果的な演出である。
 なんせ、一切の暗転はなく、舞台装置も無い中で役者たちの動きだけで、そこに完全なる劇空間が出来ているんだもんな。鳥肌ものだ。自分が観たのはオイディプス小久保寿人が演じた回だったが、川口覚版も観たかったなぁ。

 2500年前に書かれた芝居はまさにソクラテス的世界観満載で考えさせられた。
 気の毒に、神の定める運命には抗うことは出来ないのね。だからマキアヴェリは近代政治学の祖になるのか・・・。なんて余計なことまで思ってしまった(笑い)。