あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

今さら「プラトーン」を観る。

プラトーン〈特別編〉 [DVD]

プラトーン〈特別編〉 [DVD]

wikipediaだと次のような概要が書いてある。

1970年代の「ディア・ハンター」や「地獄の黙示録」に次いで、1980年代にベトナム戦争を描いたオリバー・ストーンの代表作。

ベトナム帰還兵であるオリバー・ストーンが、アメリカ陸軍の偵察隊員であった頃の実体験に基づき、アメリカ軍による無抵抗のベトナム民間人虐殺・放火、米兵たちの間で広がる麻薬汚染、仲間内での殺人、誤爆など、現実のベトナム戦争を描く。

アメリカ国内だけで予算の20倍を超える1億3800万ドルの興行収入を記録した。

 適当に流してみるのではなく、今回真面目に見てみた。実質、初めてと言っていいんじゃないか。子どものころ「見たような気がする」程度だった、というのもあるし、あらすじは知っていたので改めてしっかりと見るのもなー・・・と適当な理由をつけて今まで放っておいた。と言うのが適当だろうか。
 DVDで見たというのもあって、想像以上に映像がきれいだった。30年前の映画だとは思えないくらい、鮮やかである。全く色褪せないというのかな。ビデオだったら絶対に萎えている。

 それまではしらなかったけれど、プラトーンは「小隊」を意味する言葉だという。最初にタイトルを目にしたときは倫理の教科書に出てくる「プラトン」と一体、何の関係があるのかな?と思ったけれどそれは間違いで(苦笑)。
 コレを見ていると、戦争はどんなに言葉を尽くしても・兵器が進化しても結局のところ人殺しに他ならない事がよく分かるし、正義の戦争なんてものはあり得るのだろうか?という気もしてくる(後日、ホテル・ルワンダの感想も書くのでそのあたり難しいのだけれど)。

 確かに、ベトナム戦争はテレビが戦争を伝えた最初の戦争だという指摘は間違っていないのだろう。この映画に描かれたような戦争の悲惨な側面がストレートに配信される事によってベトナム反戦運動は高まった(だから湾岸戦争は巧妙に「見せない」報道に変えさせられた)。
後は個人的に思いついた事をメモ。
1.主人公クリスが一般的なアメリカ人を象徴しているのだろう。
2.エイリアスは善人、バーンズは悪人という典型的なキャラの描かれ方は、戦争のホンネとタテマエの擬人化とも言える。
3.それでもエイリアスがバーンズによって射殺され(でも死んでない)、ヘリを追いかけてくる辺りはベトナム戦争が正義ではない。戦争は狂気である事を想起させる。(その辺りは従軍したオリバー・ストーンの戦争観が反映されているのだろう)
4.結局ラストのシーンでクリスはバーンズを殺してしまった。これは人間が戦争によって狂人化するという含意がある。
5.クリスはそのことを自覚するのか・意識的に自覚しないのか、いずれにしても戦後に傷を抱えたまま生きていかなくてはならない。(これもベトナム帰還兵の自殺率やPTSDなどの発症率などよく言われる事だ)
6.レイプ、原住民への虐殺、薬物中毒というマイナスの側面を改めて再確認出来る。
7.確かにアカデミー賞とるよね、と思った。
8.楽しくはないけれど、見るとイイ映画。