あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

酒井啓子の考え方 (講談社現代新書)

<中東>の考え方 (講談社現代新書)

<中東>の考え方 (講談社現代新書)

講談社HPより

パレスチナ問題、イランのゆくえ、イスラーム主義、インターネットなどメディアの影響……。「中東」と呼ばれる地域のニュースは、背景が複雑で理解しにくいと言われます。著者も、大学での授業や、一般向けの講演などを通して、その困難さを感じてきました。なんとか「手がかり」となる本ができないか……。本書は、これらのさまざまな問題を、国際政治と現代史の枠組みのなかで理解することを狙いとした新書です。

 日本では稀有なイラク政治研究を専門とする著者による現代「中東」入門である(現在は千葉大教授)。アラブやペルシアといった人種的な区分やイスラームといった宗教的な括りも出来るかもしれないが、そうした単一要素だけでは語りきれない深さが、本書をして「中東」という概念を用いているのだろう。大英帝国時代の湾岸首長国からソ連アメリカの冷戦対立など、近代以降、大国の意向に翻弄された地域であることがよくわかる。イスラエルパレスチナ、イラン、サウジアラビア…ニュースの国際面をより理解するには必読の新書といえるだろう。